「私が行ってしまって、大丈夫なの?この妖怪、すごく強そうだわ!」
林初雪は心配そうに言った。
「お前がここにいても助けにはならない。むしろ俺の気が散る。早く行け!」
蘇乘羽は林初雪を後ろに押しやった。彼女も躊躇わず、去り際にこう言った。「蘇乘羽、気を付けてね。まだあなたに仕返しができてないから、死んじゃダメよ。勝てそうにないなら逃げなさい!」
狼人怪物は林初雪が逃げようとするのを見て、ウォーッと吠え、追いかけようとした。
「俺の血が欲しいんじゃないのか?来い!」
蘇乘羽は飛び出して狼人怪物を阻止した。狼人怪物は四足で蘇乘羽に向かって飛びかかってきたが、その動きは少し鈍かった。
明らかに、この怪物の体の傷が大きく影響していた。そうでなければもっと速かったはずだ。しかも戦いが続くにつれ、怪物の傷口からは血が流れ続けていた。