第88章 お前は本当に私が怖いと思っているのか?

華展堂を見た蘇乘羽は、怒りが込み上げてきた。前回は、華展堂に重傷を負わされただけでなく、地面に踏みつけられて侮辱された。これは大きな恨みだ。

人は意地を張り、仏は一炷香を受ける。修行者にとって、尊厳は何より大切だ。天に逆らって修行するのは、恩讐を晴らすためではないか?

今の蘇乘羽には、華展堂を恐れない実力がある。唯一蘇乘羽が警戒しているのは、華展堂の身分だった。

結局のところ、華展堂は龍魂司の若司馬だ。古来より民は官と争わず、龍魂司は修行者の監察機関であり、官職の人員だ。大きな恨みでもない限り、普通の人は龍魂司に関わりたがらない。

林初雪も華展堂を嫌っているが、表立って敵に回すことはできず、意図的に避けるしかなかった。

華展堂が来たことで、方晴も自信を取り戻した。