林正勳たちは蘇乘羽の説明を聞いて、さらに不安に駆られ、蘇乘羽の助けがあって本当に良かったと思った。さもなければ、家族が破滅しても、その原因すら分からないままだったからだ。
林家を陰で害そうとする者の心がいかに悪質であるかが分かる!
「蘇さん、これからどうすればいいでしょうか?」林正勳は急いで尋ねた。
「墓を移す」と蘇乘羽は言った。
「すべて蘇さんのご指示に従います。ただ、墓を移すなら、また良い風水の地を探していただきたいのですが」と林正勳は言った。
「風水の良い穴は、子孫を守る効果はありますが、諸刃の剣です。一度破壊されれば、良い穴が凶穴に変わってしまう。私の提案は、公営墓地に埋葬することです。林家は今や十分栄えているのだから、先祖の墓の恩恵にこだわる必要はありません」
「蘇さんのおっしゃる通りです。この墓の移転には何か注意点がありますか?」
林正勳も納得した様子で、今回の件から明らかに、裏で林家を害そうとする者がいて、その心が極めて悪質であることが分かった。たとえ新たな風水の良い地を見つけても、同じことが繰り返される可能性は否めない。
「特に注意点はありません。吉日を選べば十分です」
蘇乘羽は手についた土を払い落とした。夜の帳が徐々に降りてきて、一行は車に戻った。
「そのまま霖江に帰りますか、それとも県の町で一泊してから帰りますか?」と林初雪が尋ねた。
「俺とホテルに行きたいのか?君がそう望むなら、一泊していってもいいぞ」と蘇乘羽は笑って言った。
「うるさい!」
林初雪は罵り、アクセルを踏んで帰路についた。
「俺が運転しようか。今日は疲れただろう」と蘇乘羽が言った。
「結構です!蘇さんに運転していただくなんて、とんでもない。そのままお座りください」林初雪は冷ややかに皮肉を込めて言った。
蘇乘羽も諦めて、目を閉じて休むことにした。実際、林初雪が望むなら、もう一度関係を持つのも悪くないと思っていた。
結局、林初雪は先天霊体で、体内に先天の霊韻があり、前回の処女喪失で七割の霊韻は蘇乘羽に奪われたものの、残りの三割の霊韻は、極陽玄牝訣と組み合わせれば、霊韻を最大限に活用できる。
蘇乘羽の推測では、三割の先天霊韻は天元丹一つよりも効果があるかもしれない。