「ええ、彼は階下にいるわ」林幻風は口元を押さえて笑いながら言った。
「何しに来たの?」林初雪は内心喜びながら、さも何気なく尋ねた。
「さっき言ったでしょう?あなたの様子を見に、わざわざ来てくれたのよ。でも会いたくないなら、もういいわ」と林幻風は言った。
「会いたくないわけじゃないけど、今は林家の貴賓だし、おじいさまも重んじているから、会っておくべきね」
林初雪は林幻風を部屋から追い出すと、衣装部屋に入って、着替える服を選び始めた。
「姉さんは?」
林致遠は林幻風が一人で降りてくるのを見て、すぐに尋ねた。
「すぐ降りてくると言っていました」と林幻風は答えた。
「この子ったら、本当に礼儀知らずで。蘇さん、どうかご容赦を」と林致遠は言った。
「構いません。お体の具合が良ければそれでいい。では失礼します」