第127章 人の心の貪欲

蘇乘羽は分かってきた。この老人は今や値段を吊り上げ、漁夫の利を得ようとしているのだ。実に欲深いことだ。

「坊や、この何首烏は、この私のものよ!私と争わない方がいいわ。私にはいくらでもお金があるのよ。」

侯可心は傲慢な表情で言った。

蘇乘羽もこの紫烏藤に執着していた。この紫烏藤は彼にとってあまりにも重要で、絶対に諦めるわけにはいかなかった。

「三百五十万!」蘇乘羽は更に値を上げた。

「あなた!わざと私に逆らうつもり?警告しておくわ。私を怒らせたら、ろくな目に遭わないわよ!私が誰だか分かってるの?」侯可心は怒りを露わにした。

蘇乘羽は彼女を相手にする気はなく、侯可心は歯を食いしばって言った。「三百八十万!」

周りの見物人たちは驚愕した。一本の何首烏が三百八十万もの値段になるとは思いもよらなかった。もはや誰も蘇乘羽が仕込みだとは疑わず、皆が首を長くして成り行きを見守っていた。

「お嬢さんは本当に豪快ですね。私が思うに、この何首烏はもうあなたのものですよ。」

老人は大喜びで、侯可心を褒めた後、蘇乘羽に向かって言った。「若いの、まだ値段を上げられるかい?上げられないなら、このお嬢さんに売るよ。」

蘇乘羽は我慢の限界に達し、老人に直接言った。「おじいさん、さっきは九万で私に売るつもりだったでしょう。私はあなたが高齢で大変だと思い、騙すつもりはなく、直接三百万を提示しました。でも、あまりにも欲張りすぎではないですか?それに、私たちは既に価格で合意したはずです。人として、誠意を持つべきではないですか!」

「そうだ!この老人は本当に分かっていない、欲張りすぎだ。」

「この若者は本当に立派だ。自ら三百万を提示したんだ。どう考えても、恩を感じるべきだろう。」

「人の欲は底なしだな。この老人は欲張りすぎる。」

ずっと傍で見ていた人々も老人に不満を感じ、次々と非難の声を上げ、蘇乘羽の味方をした。

「若いの、そういう言い方は違うよ。私のこの何首烏は良い宝物だ。私が前は価値が分からなかっただけさ。もし本当に九万で買っていったら、あんたの良心が許すのかい?」老人は言った。

「私に良心があるかどうかは、ここにいる皆が分かっているはずです。私に良心を説くなんて、よく言えますね。」蘇乘羽は眉をひそめて言った。