蘇乘羽は分かってきた。この老人は今や値段を吊り上げ、漁夫の利を得ようとしているのだ。実に欲深いことだ。
「坊や、この何首烏は、この私のものよ!私と争わない方がいいわ。私にはいくらでもお金があるのよ。」
侯可心は傲慢な表情で言った。
蘇乘羽もこの紫烏藤に執着していた。この紫烏藤は彼にとってあまりにも重要で、絶対に諦めるわけにはいかなかった。
「三百五十万!」蘇乘羽は更に値を上げた。
「あなた!わざと私に逆らうつもり?警告しておくわ。私を怒らせたら、ろくな目に遭わないわよ!私が誰だか分かってるの?」侯可心は怒りを露わにした。
蘇乘羽は彼女を相手にする気はなく、侯可心は歯を食いしばって言った。「三百八十万!」
周りの見物人たちは驚愕した。一本の何首烏が三百八十万もの値段になるとは思いもよらなかった。もはや誰も蘇乘羽が仕込みだとは疑わず、皆が首を長くして成り行きを見守っていた。