第135章 追っかけ現場

個室は綺麗に飾り付けられ、東陵飯店の看板料理が並び、巨大なケーキまで用意されていた。この誕生日パーティーは、参加者は少なかったものの、とても豪華で贅沢なものだった。

「わぁ!すごく綺麗!このケーキも大きいわね。笑笑、お兄さんは本当に優しいのね」

「羨ましいわ。私もこんな風に可愛がってくれるお兄さんが欲しい」

クラスメートたちは驚きの表情を浮かべ、蘇笑笑も心の中で幸せを感じていた。

「みんな、好きな席に座って、好きなものを食べてください。皆さんは笑笑の一番の友達だから、これからも学校で彼女のことをよろしくお願いします」

蘇乘羽がみんなを招待したが、皆少し緊張していた。特に蘇乘羽の前では、明らかにリラックスできず、緊張した様子を見せていた。

「みんな、立ってないで。お兄ちゃんはとても優しくて、気さくな人だから」と蘇笑笑が言った。

「ありがとうございます、蘇兄」

みんなはようやく席に着き、徐陵山が自ら酒を持ってきた。

「徐さん、この酒はあなたの秘蔵品でしょう?本当にいいんですか?」と蘇乘羽が笑いながら言った。

「蘇さん、そんなことを言わないでください。私の息子の命も、私の命も救っていただいた恩人です。この程度の酒など何でもありません。私徐陵山の命は蘇さんのものです」

徐陵山は恭しく言った。

「あなたも座って一緒に食べましょう。どうせ他人はいないんだから」と蘇乘羽が言った。

徐陵山が座ると、張小沫は小声で尋ねた。「笑笑、お兄さんは何をしている人なの?今まで一度も聞いたことなかったけど。徐社長までこんなに敬意を払うなんて」

「お兄ちゃんのこと?私もうまく説明できないけど、医者かな?」と蘇笑笑が答えた。

「医者?でも、そんな感じには見えないわね」と張小沫が言った。

そのとき、誰かが個室のドアをノックし、徐陵山が「周さんが来られたようですね」と言った。

徐陵山がドアを開けると、案の定、周朝明と周晉平が贈り物を持って来ていた。

「蘇さん、申し訳ありません。今夜お嬢様のお誕生日会と聞き、私たち父子で勝手に参加させていただきました。一杯お酒をご一緒させていただきたく、どうかお許しください」と周朝明が言った。