第145章 己が道を以て、己が身に返す

「笑笑、蘇兄はなぜ一人で二人と戦うことを選んだの?半歩宗師はとても強いみたいだけど」張小沫は心配そうに言った。

「心配しないで。お兄ちゃんを信じてるわ。彼は絶対に負けないから」蘇笑笑の顔には、確信に満ちた表情が浮かんでいた。

「うん!あなたが信じているなら、私たちも蘇兄を信じます。蘇兄は必ず勝つ!」

このクラスメイトたちは蘇乘羽に対して全幅の信頼を寄せていたが、観客席にいた柳妍は、蘇乘羽が二人の九品の高手と一人で戦うことになり、冷や汗を流していた。

「あいつ、いつも無理をするんだから。これは二人の九品高手よ。そう簡単に対処できるものじゃないでしょう?」

柳妍は思わず蘇乘羽の無謀さに文句を言いながら、現場の写真を何枚か撮って許南枝に送り、状況を報告した。

許南枝は部屋の床に座り、息もできないほど胸が痛んでいた。血を流す両手で携帯を取り、WeChatのメッセージを開き、再び携帯を強く握りしめた。心の中で祈るしかなく、もはや何もできない、無力な状態だった。