蘇乘羽のその言葉が出た瞬間、会場は震撼した。誰も蘇乘羽がこのような状況で、このような選択をし、こんなにも傲慢な言葉を発するとは思わなかった。
一瞬にして、観客全員がほぼ立ち上がり、どよめきが起こった。
「彼は一人で二人と戦うつもりなのか?!誰が彼にそんな勇気を与えたんだ?」
「マジかよ!すげえ傲慢だな!この蘇乘羽、本当に傲慢すぎる。でも、この度胸と勇気は、最高に敬服に値するぜ!」
観客席の李元滄も思わず立ち上がり、その目には久しぶりの熱血が爆発していた。
「蘇乘羽!お前、マジで男だな!俺の李元滄は、今まで誰にも頭を下げたことはないが、今日は、お前のその気概だけで、俺の敬意に値する!お前が戦死したら、俺がお前の遺体を引き取ってやる。」
李元滄は極めて自負心の強い人物で、洪鎮亭に対しても、彼の命令には従うものの、敬服するまでには至らず、ただ洪鎮亭の知遇の恩に感謝しているだけだった。霖江第一の高手である任千重に対しても、李元滄はそれほど大したことはないと思っていた。