第155章 宗師の威厳

実は所謂化勁とは、內勁の昇華に過ぎず、その勁力は依然として内から外へ発するものであり、化勁はこの「化」という字にあるのだ!

化とは、変化の意である。

內勁大師が內勁を繰り出す時、力は強大だが、往々にして自在に出し入れすることができない。一方、化勁宗師は內勁を炉火純青の域まで鍛え上げ、一招一式に千鈞の力を持ち、万変自在である。

化勁宗師の境地に達すると、もはや型に拘泥する必要はなく、一掌一拳、すべてに変化がある。

さらに化勁宗師は耳聡く目明るく、外物外力を身体で感知する。つまり、たとえ目の見えない化勁宗師であっても、他人の一撃が来れば、この感知能力によって対応できるのだ。

言わば化勁宗師は、修真者の神力の門戸に少し触れた段階と言える。

しかしそれはただの入り口に過ぎず、その扉までの道のりはまだ遠い。內勁大師と比べると、化勁宗師は感知がより鋭敏で、反応力も大幅に向上している。

また武学において一度化勁宗師になると、寿命も大幅に延びる。

內勁大師が宗師境界に突破できなければ、六十歳を過ぎると身体は徐々に衰え始め、內勁の力も衰退し、ますます弱くなっていく。

一方、化勁宗師は七十歳になっても生命力は依然として旺盛で、基本的に八十歳になってから徐々に衰え始める。隠れた怪我がなければ、壽命が百歳を超えても問題ない。

任千重は六十過ぎではあるが、その実力は少しも衰えておらず、力は強大なままだ。

「さすが化勁宗師、確かに凄い!」

蘇乘羽は霊力を運転させ、腕の痺れを取り除いた。この短い交戦で、蘇乘羽は自分が絶対に任千重の相手ではないことを悟った。

「お前の拳勁も弱くはない。崔岩がお前に敗れたのも無理はない。今のその一撃の力は、すでに半歩宗師よりも強く、ほぼ一品宗師に匹敵する。洪鎮亭の言う通り、お前は確かに生かしておけない。」

任千重も少し驚いていた。龍魂司の蘇乘羽に対する判定は下九品の実力だったが、この一戦で、任千重は蘇乘羽の強さを身をもって体験した。

「崔岩が負けたのも仕方ないな!宗師以下では、お前の相手になる者はいないだろう。」

任千重は蘇乘羽に極めて高い評価を与えた。

「だったら、私を引き入れることを考えてみては?こんな天才を殺してしまうのは、もったいなくないですか?」