第176章 この者必ず天下に名を轟かせん!

洪鎮亭は目を光らせ、突然蘇乘羽に言った。「私を見逃してくれるなら、許南枝をあなたに差し上げよう。彼女は霖江一の美女だぞ」

「お前の尻拭いをしろというのか?死にたいようだな!」

蘇乘羽の目に冷たい光が宿り、足に力を込めると、洪鎮亭は胸が蘇乘羽に踏み砕かれそうな痛みを感じた。

「違う……私は彼女に一度も手を出していない。若い頃に怪我をして、男としての能力を失ったんだ。彼女は絶対に清らかだ」洪鎮亭は説明した。

蘇乘羽は心の中で冷笑し、洪鎮亭が本当にろくでなしだと思った。命を救ってもらうために許南枝を差し出そうとするとは。

「俺は女に興味がない。女は俺の拳の速さを鈍らせるだけだ」蘇乘羽はわざとそう言った。

洪鎮亭は密かに推測した。もしかして蘇乘羽も噂通り、自分と同じように性的不能なのだろうか?そうでなければ、普通の男なら許南枝の美しさに心動かされないはずがない!