「こいつは何者だ、お前は堂々たる龍魂司の大司馬なのに、なぜこんな奴の命令に従うのだ!」
黒鴉は事態に疑問を感じ、追及した。
「蘇さんは特別な背景も後ろ盾もない。彼の実力が私を服従させたのだ」と石剣鋒は笑いながら言った。
黒鴉は軽蔑して笑った。「彼の実力?たかが三品の実力で、お前を服従させたというのか?!石剣鋒、お前の大司馬の名は虚名に過ぎないようだな!五品の大司馬が、三品の若造に頭を下げるとは、まったく見下げたものだ」
石剣鋒はそれを聞いても怒らず、黒鴉に説明する気もなかった。
「どうやら、今日はこの若造のために手を出すつもりか?」と黒鴉は尋ねた。
石剣鋒が出てくれば、確かに蘇乘羽を殺す機会はなくなるだろう。
石剣鋒は手を振って言った。「蘇さんは言っていた。私が出る必要はない、彼はまだ全力を出していないと」
黒鴉はそれを聞いて軽蔑的に大笑いし、首を振りながら言った。「あいつが?冗談だ!內甲を一枚着ただけで、私が手も足も出ないと思っているのか?」
石剣鋒は笑うだけで何も言わなかった。蘇乘羽はゆっくりと歩み寄り、冷たい目で言った。「なぜ彼が私に服従したのか知りたいか?それなら見せてやろう」
純粋な実力では、蘇乘羽は黒鴉の相手ではない。四級宗師は確かに強い。
しかし蘇乘羽は修真者だ。彼には法器があり、呪術があり、符籙がある。何も隠さずに全ての手段を使えば、彼の実力はさらに上がる。
この天臺には他に人がいないので、蘇乘羽は遠慮なく自分のすべての手段と切り札を見せることができる。
「いいだろう!老夫はお前にどんな能力があるのか見てみたい。たかが三品の実力で、天を覆すことでもできるとでも?笑わせる!」と黒鴉は軽蔑した。
蘇乘羽は右手を動かし、斬龍剣が収納袋から飛び出して彼の手に落ちた。青い剣身が日光に照らされ、淡い青い光を放っていた。
斬龍を手にした蘇乘羽の気勢は一気に高まった。
黒鴉は蘇乘羽の手に突然剣が現れるのを見て、さらに蘇乘羽の內甲が化勁の力を防げることを考え合わせ、一瞬ですべてを理解し、驚愕の表情を浮かべた。
「お前は...お前は武人ではなく、修真者だな!」
蘇乘羽は冷たく言った。「私が修真者だと知っている人は少ない。光栄に思うべきだ」