翌日、薛亮亮は早くに目を覚ました。
彼には特徴があった。睡眠の質が高い上に睡眠時間が短く、他人の半分の睡眠時間で他人以上の精力回復が得られるのだ。
目を開けて、隣でまだ眠っている李追遠を見て、薛亮亮は思わず、もしこの子が将来本当に海河大学に入って自分の後輩になったら面白いだろうなと考えた。
そっと床から降り、洗面器の中の新しい歯ブラシを見て、彼は洗面器を手に取り、身支度をしようとドアを開けた。
「うわっ!!!」
薛亮亮は驚いて手の洗面器を床に落としてしまい、コップや歯ブラシ、タオルが散らばった。
誰だって朝一番にドアを開けたら、そこに無言で少女が立っていたら驚くだろう。
李追遠は騒ぎで目を覚まし、急いでベッドから降りて、片手で目をこすりながら走ってきて、もう片方の手で秦璃の手を取り、急かすように言った:
「亮亮兄、早く身支度してきて。」
「ああ、うん。」
薛亮亮はすぐに物を拾い上げて出て行った。彼が知らなかったのは、李追遠がもう少し遅くベッドから降りていたら、彼は全身傷だらけになっていたかもしれないということだ。
なぜなら、李追遠が璃の手を握った時、璃の体はすでに震えていた。これは暴発寸前の兆候だった。
本来なら、いつもの習慣では、李追遠は寝坊できたはずで、璃が来ても自分が起きていなければ、彼女は静かに入って来て座って自分が目覚めるのを待っていたはずだった。
ただ、薛亮亮が昨夜ここで寝たことで、この習慣が崩れてしまった。
そして、彼の一声で、家中の朝食時間が早まることになった。
身支度を済ませ、朝食を食べているときに、村の小売店の張おばが麦畑越しにこちらに向かって叫んだ:「三江様、電話です!」
「ああ、今行きます!」
李三江は漬物を箸で挟み、箸を持ったまま粥椀を手に持って粥をすすりながら外に向かった。
小売店に着いて、タバコ一本分の時間待つと、再び電話が鳴り、出ると英の義理の母である陳小玲からだった。
電話で、養殖場の社長が見つかったと言う。町の未亡人の家で死んでいたそうで、その未亡人はかなり情が深く、今まさに葬式の準備をしているところだという。
しかし物は見つからず、あの歌手の女も来ていたらしく、三人はよく一緒にいたという。