第23章_2

現代建築は当然敷居を取り除いてしまい、人々もそれを見慣れ使い慣れているが、問題は伝統的な様式の建築では、扉が非常に高く長く設計されているため、敷居がないと違和感を覚えてしまうことだ。

あまりにも直接的で、不気味で、まるで怪物が口を開けているかのように、見るだけで恐ろしくなる。

「あっ！」

歩いている時、突然、薛亮亮は右側の開いた扉の民家の中に、一人の人が座っているのを見た。

彼は驚いて二歩後ずさりし、この呪われた凸凹の地面のせいで、バランスを崩して地面に倒れてしまった。そして彼が倒れた方向は、ちょうどその扉に向かっていた。

扉の中には、一人の老女が座っていた。彼女の肌は水に長く浸かっていたせいか、とても青白く、少し腫れぼったくなっていた。

彼女は青い上着を着ており、その色は死装束のように鮮やかで、ただデザインはより複雑だった。

頭、首、手には、様々な装飾品が所狭しと付けられていた。

彼女はそこに座っており、まるで長い間そうしていたかのようだった。幸いなことに、彼女は目を閉じていた。

「はぁ...はぁ...」

もし彼女が目を開いていたら、薛亮亮は思わず気を失ってしまっただろう。

彼が今いる環境や前を案内している女性も既に不気味だったが、民家の独特な設計と形状に加え、中に座っている人物が、既に不気味な雰囲気の中でさらに衝撃的な恐怖を作り出していた。

薛亮亮は立ち上がり、窒息感が再び現れそうな予感がしたため、すぐに前方に小走りで進み、あの女性との距離を縮めた。

頭の中には、まだ扉の中に座っていた老女の姿が残っていた。彼女の背後は真っ暗で、家具や調度品は見えなかった。

これにより、この上下二階建ての密集型民家は、まるで彼女一人のための墓のように見えた。

一つの、開かれた墓所のように。

なるほど、これは空き家になって水没した町ではなかったのだ。

では、自分が入ってきた時に見た、扉が閉まっている民家の中にも、人がいるのだろうか？

開いている扉の中に人が見えなかった民家の住人は...二階にいるのだろうか？

そう考えると、薛亮亮は無意識のうちにあの女性との距離をさらに縮めた。

彼女のことも怖かったが、両側の民家が全て墓だと考えると、墓道の真ん中を歩くよりは、前にいるこの女性の方がまだ慣れやすかった。少なくとも、彼女は動くのだから。