第35章:無双丹道、無毒錬丹【新書求一切】

許洛塵は本気で始めることにした。

教えを伝えることは教えを伝えることだが、許洛塵は太華道人から言われたことを忘れていなかった。

小師弟の前で絶世の高人を演じなければならない。

この期間、許洛塵は毎日錬丹の知識を復習する以外、残りの時間はすべて格好をつける方法を考えていた。

ついに、一ヶ月近くの努力の末、実践を始める時が来た。

そう思いながら、許洛塵は葉平を見た。

「大道三千、高低なし。しかし丹道一脈は天地の奥妙を含む。葉師弟よ、お前の目には、強大な丹薬師とはどのような存在に映る?」

強大な丹薬師?どのような存在?

葉平は一瞬戸惑った。

この質問は何か聞き覚えがある。

はっ!

もしかして二師兄も絶世の高人なのか?

青雲道宗については、葉平は隱世門派のように感じていたが、宗門内の他の師兄師姉については、葉平はよく分からなかった。ただ蘇長御が絶世の高人であることは知っていた。

しかし今見ると、二師兄も絶世の高人の雰囲気があるではないか?

それでも葉平は真剣に答えた。

「洛塵師兄にお答えします。師弟が思うに、強大な丹薬師は、すべてを超越する存在です。一つの丹藥で、無数の強者を狂わせることができ、どんなに天驕の領域であろうと、どんなに八方を呑み込もうと、必ず限界があります。しかし丹薬師は天命を覆すことができるのです。」

葉平は自分の理解を述べた。

数多くのネット小説の中で、丹薬師の地位は極めて高い。

考えてみれば、百個の霊石の価値がある薬材が、丹薬師の手にかかれば、瞬時に価値が倍増し、時には十倍百倍にもなり得る。

真の丹薬師は、金のなる木と言っても過言ではない。もし本当の丹薬師になれば、どんなに修為が高い者でも三分の礼を尽くさねばならない。修仙世界で最も不足しているのは強者だが、最も余っているのもまた強者だ。

寿命が尽きようとする時、どんなに強い実力を持っていても天に逆らうことはできない。しかし一つの延命丹で百年、あるいは千年の命を延ばすことができる。このような状況で、どちらが弱く、どちらが強いというのか?

「否。」

しかし次の瞬間、許洛塵は厳かな表情で首を振り、葉平を見つめて真剣に言った。

「葉師弟よ、お前が描写した丹薬師は、真の丹薬師ではない!」

「お前は浅はかすぎる!」

許洛塵は平静な表情で、深遠な様子を見せながら言った。

浅はか?

葉平は興味を持ち、思わず許洛塵を見つめた。

「ご教示願います。」

葉平は好奇心に駆られた。

「お前の言う丹道の強者は、結局のところ単なる丹薬師に過ぎない。師兄がお前に問う、この世で最強の丹藥は、どのような能力を持つと思う?」

許洛塵は尋ね、最後にもう一言付け加えた。

「大胆に考えよ。」

最強の丹藥はどのような能力を持つのか?

葉平は黙り込んだ。彼は深く考え、この質問にしっかりと答えようとした。

しばらくして、葉平は答えを出した。

「師兄にお答えします。最強の丹藥は、人の体質を改善し、極めて劣った資質の者を、天地間で最も優れた修士に変え、さらに気運を高め、直接仙人になることさえできるものでしょう。」

葉平は真剣に言った。

大抵の小説では、最も貴重な丹藥は、直接仙人になれる丹藥か、人の資質や骨格を変え、天命を覆すものだ。

しかし許洛塵は首を振り、極めて厳かな表情を浮かべた。

彼は天空殿を一瞥した。

そして、ゆっくりと口を開いた。

「丹道一脈において、登峰造極の者は、万物を神丹に変えることができる。」

「しかしそれは凡人の目に映る丹薬師に過ぎない。真の丹薬師は、丹藥を錬るのではなく、天地を錬化し、錬り出す一つ一つの丹藥が、それぞれ一つの世界なのだ。これこそが真の丹薬師だ。」

「分かったか?」

許洛塵は丹薬師を極めて誇張して描写した。

葉平はこの言葉を聞いて、完全に呆然となった。

天地を錬化する?

一つ一つの丹藥が、それぞれ一つの世界?

これは......これは......これは!

数多くの小説を読んできた葉平でさえ、丹薬師の極限がこれほど恐ろしいものだとは想像もしていなかった。

一つの丹藥が、一つの世界。

万物が丹藥となる。

天地が丹藥となる。

宇宙が丹藥となる。

世の中のすべてが丹藥となる。

これはなんと恐ろしい境界か?これはなんと無敵の存在か?

何気なく錬った一つの丹藥が、一つの世界となる。

はっ!

この瞬間、葉平はようやく、許洛塵が剣道だけが唯一の選択ではないと言った理由を理解した。

もし丹道がこれほど強力なら、確かに剣道に劣らないではないか。

はっ!

二師兄も絶世の高人なのか?

次の瞬間、葉平は突然悟った。

大師兄は絶世剣道の強者で、二師兄は絶世の丹道の強者なのだ。

このような理論を語れる存在が、どうして普通の丹薬師であろうか?

葉平は最初、二師兄が基礎的な錬丹術を教えてくれると思っていたが、この話を聞いて完全に悟った。この宗門は一人一人が絶世の高手なのだ。

葉平の驚愕の表情を見て。

許洛塵は心の中で笑みを浮かべた。

この一ヶ月の間、この話は彼が苦心して考え出したものだった。

聞こえは凄まじいが、実際にはまったくのでたらめだ。

少しは道理があるが、この話を外で言えば、十人中十人が信じないだろう。

天地を丹藥にするだって?

じゃあ錬ってみせてくれよ?

許洛塵は葉平を騙しすぎることを心配してはいなかった。主な目的は、まず葉平を驚かせ、それから基礎的な錬丹術を伝授することだった。小さなことから大きなことへと。

まず葉平を驚かせなければ、どうやって自分の凄さを示すことができようか?

そう考えながら、許洛塵は続けて口を開いた。

「小師弟よ、今わかったか?」

声が響き、葉平は我に返った。

「師弟は理解しました。」

葉平は頷いたが、その目にはまだ驚きが満ちていた。彼は丹道の術がこれほど恐ろしいものだとは全く想像していなかった。

「理解できたならよい。しかし師兄が先ほど語ったのは丹道の極みだ。師兄はまだお前の資質がどの程度かわからないので、最も基本的な錬丹術しか教えられない。まずお前の資質を見極めねばならない、分かるか?」

許洛塵は続けて言った。

「師弟は当然理解しております。師兄のご指導に感謝いたします。」

葉平は力強く頷いた。

彼はもちろんこの道理を理解していた。ご飯は一口ずつ食べ、道は一歩ずつ歩む。一足飛びに頂点を目指すなど、自分の資質を考えもせずに。

「うむ、葉師弟よ、師兄は今から独自無二の丹藥修練の術を伝授しよう。よく聞くように。」

許洛塵は突然口を開いた。

葉平もすぐに真剣な表情になった。

「薬には三分の毒あり、天地の間で、どんな丹藥にも毒性がある。どんなに優れた丹薬師でも、丹藥の毒性を完全に取り除くことはできない。」

「それは根本的に、薬材の問題なのだ。」

「今日師兄が伝授する丹藥修練の法は、無毒錬丹だ。その名の通り、この方法で錬製された丹藥には、一切の毒性がなく、一切の副作用もない。」

「だから、これから師兄が話す一言一句を、しっかりと覚えておくように。一文字も聞き漏らしてはならない、分かったか?」

許洛塵は極めて真剣に言った。

しかしこの話は彼の完全なでたらめだった。

薬には三分の毒ありという言葉は正しい。

しかし無毒錬丹?

この話は許洛塵が葉平相手だから言えるのだ。

これを外で言おうものなら。

丹薬師たちが次々と走ってきて許洛塵の口を叩き潰すだろう。

なぜなら、この天地の間に、無毒錬丹などという言葉は存在しないのだ。

丹毒というものは、薬材に根ざしている。どんなに錬っても、薬材の薬性と毒性は共生関係にある。

毒性がなくなれば、薬性もなくなる。

だから幸い許洛塵は葉平を騙すだけだが、もし丹薬師に聞かれでもしたら、すぐに口を叩き潰されるだろう。

一方、葉平は真剣に聞き入っていた。