青雲道宗を歩いていた。
許洛塵は気分が上々だった。
彼は元々樂天派な性格で、錬丹を得意とし、青雲道宗の将来の金の生る木だった。
結局のところ、丹道の道を極めれば、それは正に富の源となるのだ。
残念なことに、許洛塵は既に七回の丹薬師試験に失敗していたが、それでも彼の自信は揺るがなかった。まだ若いのだから、これからいくらでも試験を受ける機会はあるのだから。
今やるべきことは、しっかりと復習し、ついでに小師弟に錬丹を教えることだった。
小師弟のことを思い出すと、許洛塵は思わずため息をついた。
しかし、それは葉平のことではなかった。
蘇長御のことだった。
正直なところ、葉平の資質が劣っているのは皆知っていることだ。もし資質が良ければ、青雲道宗に入門することもなかっただろう。
「はぁ、大師兄よ大師兄。聖人の言葉にもあるように、人の師となり、道を伝えるものは、弟子の資質が劣っているからといって、そんなに取り乱して落ち着きを失ってはいけないものだ。このまま青雲道宗を継いでも、いずれお前の手で滅ぼすことになるぞ」
許洛塵は歩きながらぶつぶつと呟いた。
そうして、彼は青雲後崖に着いた。
青雲後崖では。
葉平はここ数日、天河剣法を丹念に研究していた。
四雷劍法は今や所謂剣意だけが欠けているが、葉平はひとまず置いておくことにした。焦ってはいけない、急がば回れというではないか。
天河剣法は、この二日間の苦修の結果、既に千八百の技を編み出していた。
剣術の技は、多ければ多いほど、剣術は強くなる。
実戦で全ての技を使うというわけではなく、主に剣勢が重要なのだ。
剣術には三重境界がある。
剣技、剣勢、剣意だ。
剣技が多ければ多いほど剣勢は強くなり、悟得した剣勢が強ければ強いほど、凝縮される剣意も強くなる。
なぜなら、一つの剣術において、その剣勢を悟ることができれば、一振りの剣でその剣術全ての威力を発揮できるからだ。
四雷劍法が一体となれば、一振りで千四百六十の剣技の威力が加算される。
そのため、剣技が多ければ多いほど、剣勢の威力は強くなる。
劍修の目から見れば、一つの劍譜の良し悪しは、基本的に剣技の数で判断できる。
この剣技の数は適当に作り出せばいいというものではなく、必ずその理があってこそ強くなれる。
もちろん、一つの技だけを極めて神業の域まで修練する修士もいる。
しかしそのような修行も、結局は同じことだ。
なぜなら、剣勢を凝縮するということは、数百、数千、あるいは数万の剣技を一つの技に融合することだからだ。
四雷劍法は全部で千四百六十の技がある。
天河剣法は、葉平が既に千八百の技を編み出していた。
しかもまだ極限には達していない。銀河の剣法を意味するだけあって、その威力は並々ならぬものだ。
太古神魔練體の決については、葉平は一時的に修行を中断していた。
主な理由は靈氣が足りないからだ。
葉平はずっと考えていた、練氣丹を自分が服用できるのかどうかを。
大師兄に聞いてみようとも思ったが、少し気が引けた。しかし二師兄がまもなく錬丹の指導に来ることを思い出し、気にしないことにした。
葉平が考え込んでいるとき。
突然、声が聞こえた。
「小師弟」
聞き覚えのある声だった。
葉平が目を向けると。
二師兄の許洛塵だった。
「二師兄にお目にかかります」
葉平は立ち上がり、急いで一礼した。
許洛塵は蘇長御ほど端正な容姿ではなかったが、儒雅な気質を持っていた。今は淡い青色の長衣を着て、温和な玉のようだった。
「小師弟、そんなに堅苦しくしなくていい」
許洛塵は非常に温和な性格で、儒生のような気質を身につけていた。
「小師弟、この期間、お前の大師兄には用事があるので、私がお前に錬丹の術を教えることになった」
許洛塵はそう言った。
「承知しております。大師兄が先日おっしゃっていました」
葉平も錬丹の術に非常に興味を持っていた。
「二師兄、大師兄は私の資質が劣りすぎていると思って...」
しかし最後に、葉平は心の中の疑問を抑えきれずに口にした。
大師兄が突然用事があると言い出したので、葉平は余計な想像をせずにはいられなかった。
これを聞いて、許洛塵はしばらく黙り込んだ後、温和な笑みを浮かべて言った。「小師弟、確かにお前の剣道の資質はあまり良くないが、大師兄はそんな人ではない。初めて教えを授けるのだから、当然少し心が揺れているのだ」
「気に病むことはない。今日は二師兄が錬丹を教えるから、しっかり学ぶように。結局のところ、人に完璧な者はいない。もしかしたら師弟は剣道では平凡でも、錬丹では才能を発揮するかもしれないだろう?」
許洛塵は葉平を慰めた。
この言葉を聞いて、葉平の気分は少し落ち込んだ。許洛塵の慰めは、あまり効果がなかった。
「師弟は分かっております。二師兄のお心遣い、感謝いたします」
葉平は辛そうな表情を見せたが、それでも気落ちすることはなかった。むしろ心の中では、もっと剣を練習して大師兄に認めてもらおうという決意を固めた。
もちろん錬丹もしっかりと学ばなければならない。大師兄が自分の資質に嫌気がさして去ってしまったのだから、二師兄まで追い払うわけにはいかない。
「葉師弟よ、これは単なる慰めではない。剣道が上手くいかないからといって、未来が暗いわけではない。師兄は何となく、お前には丹道の才能があるように感じるのだ。それと、二師兄と呼ばなくていい、洛塵師兄と呼んでくれ」
許洛塵は本当に慰めているわけではなかった。彼も剣道の才能は乏しかったが、錬丹はできる。この修仙界は剣道だけが至高というわけではないのだから。
聖人も言っている、錬丹の腕が良ければ、嫁に困ることはないと。
「はい、洛塵師兄」
葉平は頷いた。
「よし、葉師弟よ、今は心を落ち着かせるのだ。師兄がお前に丹道について説明しよう」
許洛塵は葉平に心を落ち着かせるよう言い、剣道のことは気にしないようにと諭した。
錬丹を学ぶからには、しっかりと学ばねばならない。自分のように、真面目に、誠実に、決して中途半端であってはならない。
「洛塵師兄、どうぞお話しください。私はしっかりと聞きます」
葉平は真剣な表情で、すぐに他の雑事を頭から追い出し、許洛塵の丹道の説明に真剣に耳を傾けた。
「葉師弟よ、よく聞くのだ」
「三千の大道があり、その順位に優劣はない。どの道であっても、極めれば世界が注目する存在となる」
「剣道であれ、靈道、丹道、器道、符道、陣道であれ、どの道でも、頂点に立てば、他のどの道にも劣ることはない」
「三千の大道に順位はないとはいえ、丹道一派は、年を重ねるほど重宝される」
「なぜだか分かるか?」
許洛塵は尋ねた。
葉平はしばらく考えてから答えた。
「洛塵師兄、それは丹道修行者は、年齢を重ねるほど熟練度が増し、錬丹の成功率も上がるからではないでしょうか?」
この言葉を聞いて。
許洛塵は思わず目を輝かせた。
この小師弟はなかなかやるな、資質も悪くない。やはり劣った弟子などいない、劣った師匠がいるだけだ。蘇長御のこの期間の様子を思い出し、許洛塵は心の中でため息をついた。まだまだ未熟なものだ。
「うむ、葉師弟には確かに才能があるようだ」
許洛塵は微笑んで言った。
「師兄は私を慰めているだけではないですか?」
葉平は少し疑わしく思い、許洛塵が特別に自分を慰めているのではないかと心配した。
「いや、そうではない。葉師弟よ、少しの挫折で落ち込んではいけない。師兄の言葉を覚えておくのだ。三千の大道には、それぞれ非凡な者がいる。剣道が上手くいかないからといって、丹道も上手くいかないとは限らない」
許洛塵は引き続き葉平を励ました。
その後、許洛塵は深く息を吸い、少し厳かな様子を見せた。
彼は正式に葉平に錬丹の術を伝授し始めようとしていた。