第88章 蘭亭の成長

蘭亭は自分の教育能力に深い疑問を抱いていた。陸陽が問道宗に首席で入門したと聞いており、その法術の才能は間違いなく一流だった。

例えば先日の象形拳法がそれを証明していた。それは神業とも言える、腐ったものを神秘に変える法術の才能だった。

なぜ自分が教えると、こうなってしまうのか?

自分の教え方が間違っているのか?

おかしいはずだ。師姉がこう教えてくれたし、孟景舟と蠻骨にもこう教えたが、問題なかったはずだ。

もしかして陸陽の法術の才能を過小評価していたのか、この並外れた天才には特別な教え方が必要なのか?

自分を疑いながら、同時に申し訳ない気持ちも湧いてきた。

陸陽は呑気に自分の符籙を研究していて、ある符籙の天才が自分を教えられないことで自己嫌悪に陥っていることなど全く気付いていなかった。「他の符を見えなくする符って無いのかな?そうすれば俺の隱身符も消えるんだけど。」

孟景舟はしばらく考えてから言った。「そんな符を誰がどんな目的で作るのか、想像できないな。」

陸陽は意気消沈して服を着直し、隱身符の練習を続けた。結果は相変わらずで、体は消えるべきところは消え、服は消えないところは消えなかった。

一方、蠻骨は一回一回と上手くなっていき、蘭亭に達成感を与えていた。

孟景舟は意地悪く陸陽を嘲笑った。「はは、諦めろよ。お前には本物の隱身符なんて描けないよ。」

陸陽は怒って、二本指で隱身符を摘み、孟景舟の額に貼り付けた。「この妖怪め、食らえ!」

孟景舟の体が消え、服だけが残った。

彼も負けじと隱身符を取り出し、陸陽に向かって打ち付けた。「道士よ、お前だけが符を描けると思うなよ!」

陸陽の額にも隱身符が貼られ、体も服も完全に消えた。

二人は互いに隱身符で攻撃し合い、攻防を繰り広げたが、全く攻撃性はなかった。

蠻骨は二人の間に挟まれながら、一心不乱に符を描き続け、二人の邪魔に動じなかった。

「できた。」蠻骨は満足げに成功した隱身符の束を手に取った。絶え間ない練習の結果、彼の隱身符の成功率はほぼ百パーセントになっていた。

孟景舟と蠻骨は無事に修了した。

陸陽は蘭亭が描いた隱身符で無事に修了した。