第39章 登仙台現る

「無二閑庭……なんと威厳があり、なんと気さくな!」

一行は李凡の小さな庭の外で立ち止まり、門の上の額を見た。

于啟水は思わず感嘆の声を上げた。「一目見ただけで、想像を超えた気勢を感じました。剣修がここに来れば、きっとこの書から無上の剣道を悟れるでしょう!」

火靈兒たちも非凡さを深く感じていた。

「先輩、千凝たちが、ご挨拶に参りました」

慕千凝は庭の門越しに恭しく声をかけた。

「入りなさい」

小さな庭から、李凡の声が聞こえてきた。

一同はすぐに門を開けて入った。

庭に入ると、李凡が桃の木の下でくつろいで横たわっており、その傍らでは紫菱が不思議な卵を熱心に描いており、南風は優雅に琴の弦を弾いていた。

小白虎さまは李凡の胸に寄り添い、ますます非凡な様子を見せていた。

「さすが真の隠者、外の世界が天地を覆すほどの騒ぎになっているのに、李先輩はこうして悠々自適としておられる……」

皆は少し恍惚としていた。この小さな庭は、まさに別世界のようだった。

しかし考えてみれば当然のことだった。この世に一体何があって、李先輩のような方の心境を乱すことができようか?

「こちらへ座りなさい」

李凡は笑いながら言った。火靈兒たちとは、行き来を重ねて、もう古い友人同然だった。

彼らの商売がどうなっているのか気になっていた。

「最近はどうですか?」と彼は尋ねた。

「先輩のご心配に感謝いたします。すべて順調です」

于啟水は恭しく答えた。

「あなたたちが今日来たのは、羅明たちがしようとしていることに関係があるのでしょう?」

前回、李凡は羅明たちに「萬山集龍圖」を一枚与え、羅明たちはそれを持って行った。李凡は彼らが書画展や競売会のようなものを開くのだろうと推測していた。

その時、火靈兒たちは参加できないかと申し出ていた。

今回来たのは、おそらくその書画展が始まるからだろう。

火靈兒たちはこれを聞いて、急いでうなずいた。

「先輩、今回について何かアドバイスはございますでしょうか?」

火靈兒は緊張した様子で尋ねた。

李凡は微笑んで言った。「何もありません。普段通りの心持ちでいればいい。あまり緊張することはない。これらのことは大したことではないのだから」