第51章 最後の浄土_2

東荒の古い準聖地で、老宗主の手に握られた剣が震えていた。その声は、内なる恐怖を露わにしていた!

「魔鬼が本当にこの世界に降臨したのだ。玄天界の最強者たちは既に死に、次は衆生の番だ……終わりだ、これは末日の大劫だ!」

西漠で、活仏の転生者と呼ばれる大修行者の判断が、荒野全体に広まった!

……

各州は大いに驚いた!

天下は轟然となった!

世の人々は不安に震えた!

その時。

南域。

「緊急報告!」

「北域の北辰聖地が滅ぼされた!」

「緊急報告!」

「西漠の天梵殿が埋もれ、この世界から消え去った!」

「緊急報告!」

「東荒の軒轅家が完全に絶滅し、龍靈が殺され、生存者は一人もいない!」

「緊急報告!」

「中州の太華聖地が玄天界から完全に消失し、荒れ地だけが残された!」

……

玄天界各地からの緊急報告は、雪片のように南域の各勢力に降り注いだ!

太衍聖地!

この時、護山大陣は完全に発動され、その外では常に十数名の至尊が準仙器を手に巡回していた!

大敵を迎え撃つかのように!

大殿の中。

靈超聖主と元陽聖主は、二大聖地及び南域全ての強者を召集した。

沈黙!

大殿には沈黙だけが残った!

これらの至尊たちは、次々と届く知らせに、最初の衝撃から、続く震撼、そして麻痺、今の沈黙へと……

全ての至尊の顔には、まだ夢を見ているような表情が浮かんでいた。

「とんでもない……なんと荒唐無稽な事か、玄天界の聖地が、一斉に滅亡の時を迎えるとは……」

ある至尊が呟いた。

「一体どのような存在が出手して、このような絶滅の事を行っているのか……」

「想像もつかない、今頃他の域では、どれほどの混乱に陥っているのか……」

「南域は、おそらく玄天界最後の淨土となったのだろうか??」

皆が低い声で語り合った。

そして靈超聖主と元陽聖主は、この時極めて重い表情を浮かべていた。

「これは始まりに過ぎない……李先輩の言葉が、こんなに早く的中するとは!」

靈超聖主の言葉には、千斤の重みが感じられた。

小院で李先輩が、同様の出来事がまだ多くあり、これは始まりに過ぎないと告げた時、彼らは後に波乱が続くことを予想していた。しかし、誰もこれほどの大波が来るとは想像していなかった!

玄天界全体が、不安に震えているのだ!