第51章 最後の浄土

一日のうちに、玄天界全体が恐ろしい災厄に見舞われたかのようになった。

広大無辺の大地が亀裂を生じ、空からは血の雨が降り、多くの洞天福地では一日のうちに霊気が激しく乱れ、ほぼ消失してしまった。

北域、中州、東荒、西漠、そして南域まで……

天地の変化は極めて広範囲に及び、一つとして免れた場所はなかった!

世の人々は皆震撼した。

「天よ、何が起きたのだ、これは一体どういうことなのか?災厄紀元の記録のようだ……」

「空から血の雨が降り、大地が裂け、霊気が薄くなった、これは終末が来たのか?」

「玄天界全体が、激しい影響を受けているようだ……」

瞬く間に、玄天界のすべての宗門、すべての修行者がその変化を感じ取った。

この恐ろしい変化は、すべての修行者の心を震わせた。

各宗門は真相を探るため人を派遣した。

さらに多くの宗門は各域の聖地へと向かった。それらの古い聖地はこの天地について最も深い理解を持っており、そこには説明と答えがあるかもしれなかった。

しかし、人々が答えを求めて各大聖地に到着したとき、全員が完全に凍りついた!

彼らの目の前に広がっていたのは、生涯想像すらできなかった光景だった!

かつて高みにあって全能であった聖地と名門は、すべて滅びていた……

「いや、いや、そんなはずがない!」

北域で、ある大乗期の強者が、宗門の長老として特別に聖地を訪れたが、目の前の光景に震え、恐れおののいた!

かつての北辰聖地は、完全に消え去っていた!

残っているのは廃墟と崩れた壁、崩壊した大地だけで、生きている者は一人もいなかった……

……

西漠。

「行こう、すぐに天梵殿に着くはずだ。天梵殿の聖師がこの一切の出来事の理由を教えてくれるだろう」

一人の老修行者が若い梵僧を連れて、天梵殿の方向へと進んでいた。

「ん?おかしいな、我々は道を間違えたのか?なぜまだ天梵殿が見えないのだ?」

老修行者は困惑の表情を浮かべた。彼は天梵殿に何度も来ており、目をつぶっても歩けるはずだった。

道筋からすれば、天梵殿はもう見えているはずなのに……なぜ天梵殿が見えず、前方には砂丘が広がっているのか?

「い…いや……!」

若い梵僧は顔色を変え、突然前方を指さして言った。「師尊様、あ、あれは天梵殿の屋根の梵獣です!」