第62章 真仙の出手

しばらくして。

羅浮聖地。

羅浮聖主は閉関修行中だった。南域に入ってから、宗門が直面する圧力は大きくなっていた。彼はさらなる高みを目指していた。

結局のところ、豊富な資源の下では、実力が強ければ強いほど、より多くを手に入れることができるのだから。

彼の前には、一冊のボロボロの古書が置かれていた。それは秘法だった。

「羅浮の術か?ふん、仙域の屠浮決に似たところがあるな。だが残念ながら、やはり格が低すぎる」

突然、羅浮聖主の閉関密室に、麻布を着た中年の男が静かに現れた。彼は何気なくその古書を手に取り、一読した後、軽く投げ捨て、目には軽蔑の色が浮かんでいた。

羅浮聖主は慌てて目を開け、密室に突如として現れたこの中年の男を見て、驚愕して言った。「貴方は何者だ?!」

その瞬間、彼は修為を爆発させようとした!

しかし、その黒衣の男は手を一振りしただけで、彼は千万斤の巨石に押しつぶされたかのように、息もできなくなった。

恐ろしい。手を一振りするだけで、至尊である羅浮聖主を抵抗できなくさせるとは!

これは一体どのような存在なのか?

羅浮聖主は顔色を変えて言った。「閣下は何者で、何故ここへ……」

中年の男は冷笑して言った。「私が誰かは問う必要はない。南域の所謂、全てを震撼させる力とは何か、それを教えろ」

これを聞いて、羅浮聖主の心はさらに驚愕した。

この者の来歴は不明だが、修為は明らかに至尊をはるかに超えており、仙人である可能性が極めて高い。そして、南域の神秘的な力について探っているとは……

もしかして、この者こそが、各大域の聖地を破壊した張本人なのか?

中年の男は彼の心中の考えを見透かしたかのように、冷笑して言った。「先の蟲けらのような聖地のように滅ぼされるか、それとも大人しく私の質問に答えるか、選びなさい」

相手は直接認めた!

羅浮聖主の顔色は一瞬にして極めて悪くなった。

彼は理解した。自分も、そして羅浮聖地全体も、この相手の前では、抵抗する余地など全くないことを。

彼は仕方なく言った。「分かりません。その神秘的な力は我々は一度も見たことがありません。おそらく、南域の太衍聖地と紫陽聖地だけが知っているのでしょう」

これを聞いて、麻布を着た中年の男は少し考え込み、突然笑って言った。「太衍聖地と紫陽聖地か?」