二人の聖主の熱心な表情を見て、慕千凝と火靈兒は複雑な表情を浮かべた。
聖主までもが弟子入りを望んでいるとは。
「お二人の先輩方……李先輩は弟子の条件については特に明言されず、すべては縁次第とおっしゃっていました。」
火靈兒が言った。「ですが、おそらく、お二人はすでに一方の泰斗であられますので、これは相応しくないかと……」
これを聞いて、二人の聖主は苦笑いを浮かべた。
実際、彼らの心の中でも、自分たちにはこの仙縁がないことを十分理解していた。
結局のところ、姜雪のような人物でさえ、弟子入りを望んでも李先輩の許可を得られなかったのだから。
それどころか、三絕聖地の南風と紫菱が、このような福縁を得たのだ。
「その他に、李先輩のお考えでは、やはり控えめにして、広く知られることは避けたいとのことです。」
元陽聖主と靈超聖主は目を合わせた。
「そうなると、各聖地の聖主にだけ内密に伝えるしかないですね。」
靈超聖主が口を開いた。「李先輩が弟子として受け入れるのは、必ず真の天才でなければなりません。我々は各宗門の逸材の中から範囲を限定しましょう!」
元陽聖主は頷いて言った。「あまりに正式に通知する必要はありません。それではかえって各大宗門の好奇心を引き、李先輩の清修の妨げになってしまいます……むしろ、様々な方法で噂話として広めましょう。本当に縁のある者がいれば、きっとこの機縁を得られるはずです。」
皆が頷いた。
……
すぐに、一つの噂が広まり始めた。
「ねえ、聞いた?蒼離山脈の外縁に、絶世の高人が隠れているそうだよ!」
「何が絶世の高人だ?また誰かのでっち上げだろう?」
「本当らしいよ。しかも小さな山村に隠居していて、その修為は仙道をも超えているんだって。」
「はは、そんな話を信じるのか?玄天界にまだ仙人なんているのか?準仙が最高峰だろう。」
これは小さな議論を引き起こしたが、大多数の人々はあまり信じなかった。
修行界では、絶世の高手、天地の霊精、絶世の功法や寶物などの伝説は数え切れないほどあるが、その大半は単なる噂の伝播に過ぎない。
修行者が知っているような噂は山ほどあり、これが一つ増えても誰も信じない。