第57章 趙じいさん?高人?

一行は前方の小山村を非常に驚いた様子で見つめていた。

一見、普通の山村と変わらないように見えるが、後ろの背景と比べると、あまりにも異質だった。

どんな村が、蒼離山脈全体を崩壊させた災害の中で、無傷のまま残ることができたのだろうか?

これ自体が異常なことを意味している!

「ここは必ず尋常ではない!大災害の中で保存されたということは、何か特別なものがあるはずだ!」

龍子軒の目に、希望の色が浮かんだ!

もしかして、天は人の道を絶たず、ここに本当に自分を待つ福縁があるのだろうか?

彼が立ち上がろうとした時。

「待て!」

陸讓が彼を止め、言った:「気が狂ったのか?」

龍子軒は「どうしたんだ?」と尋ねた。

陸讓は小山村を指さして言った:「この山村の深さも浅さも、我々は全く分からないのに、どうして軽率に入れるんだ?忘れるな、蒼離山脈は禁地だぞ!」

「禁地さえも破壊されたのに、ここだけが無傷なんだ。それが何を意味するか分かるか?ここは禁地の中の禁地だということだ、分かるか?」

彼は焦りの表情を浮かべていた。

ここは一目見ただけで、簡単に入れる場所ではなかった。

もしかしたら、ここは大きな罠かもしれない!

彼の想像力は極限まで働いていた。

しかし、龍子軒は首を振り、目は非常に確固としていて、やや蒼白い顔には、前進あるのみという色が満ちていた。

「陸兄さん、あなたの言うことはもっともだ。ここで別れよう。」

「あなたには多くの選択肢がある。入らなくても良い。だが私には行く道がない。」

「正直に言うと、私は皇朝の皇子だが、すでに廃人も同然だ。この世で人々の冷たい目、嘲笑、圧迫を受けて生きるくらいなら、命を賭けて一か八かやってみる方がましだ!」

「たとえ死地であっても、骨を埋めることを恐れない!」

彼は陸讓に微笑んで言った:「もし本当に何か機縁があれば、その時は陸兄さんにも教えよう。」

言い終わると、彼は振り返ることもなく小山村へ向かって歩き出した!

彼が小山村へ向かって行くのを見て、彼の四人の護衛は顔を見合わせた。

「皇后様は彼について行けと言ったが、一緒に死ねとは言っていない!」

護衛の一人が小声で言った。

「そうだ、ここは怪異で測り知れない。蒼離山脈は凶名高い。軽率に入るわけにはいかない。ここまでにしよう。任務報告に戻れる。」