玄天界南域。
蒼離山脈の外、小山村。
小さな中庭で、李凡は南風の琴の音を聴きながら、口元に微笑みを浮かべていた。
この娘は琴道において、確かに才能があり、前回よりも上達している。
南風は琴を弾き終え、口元にも微笑みが浮かんだ——この期間を経て、彼女はついにその門を開き、望めばいつでも成仙できるようになっていた。
一方、紫菱は相変わらず地鶏の卵を描いていた。
これは彼女が描いた千九百七十二個目の地鶏の卵だった。
今回、彼女は筆を止め、なかなか描き始められないでいた。
実際、目の前の卵を描き続けるにつれて、彼女の速度は徐々に遅くなり、最近では一つの卵を描くのに数日もかかるようになっていた。
まさに想像を絶する。
今、彼女は筆を握ったまま、すでに午前中が過ぎていた。
眉間にしわを寄せ、深い思索に沈んでいるようだった。
目の前の地鶏の卵は、本当に単なる卵なのだろうか?
なぜ彼女には卵殻が形成される様子が見え、孕まれている命が見えるのだろうか?
なぜ彼女には卵殻の中を流れる道則が見え、自然の理が隠れた場所で絶えず生息しているのが見えるのだろうか?
描きたいと思うのに、筆を動かすことができない。
自分が描こうとしているのは、一つの卵なのか、それとも一つの大道なのか?
一つの命なのか、それとも永遠なのか?
彼女は苦悩し、瞑想した。
李凡は南風が運んできたお茶を味わいながら、横目で一瞥した。彼は知っていた、この娘がようやくこの門の敷居に触れたことを。
「お茶を飲むのも心のままに、畑を耕すのも心のままに、魚に餌をやるのも心のままに、琴を弾くのも心のままに、同じように、絵を描くのも心のままでなければならない。」
「見えるものが何かは重要ではない、重要なのは、あなたがそれを何だと思うかだ。」
李凡はゆっくりと口を開いた。
絵画や音楽などの道において、彼の理解は深かった。結局のところ、かつてシステムに長い間苦しめられたのだから。
これを聞いて、筆を持っていた紫菱の目が突然輝いた!
「心のままに!」
「観察したものが何かは重要ではない、重要なのは、私がそれを何だと思うか!」
彼女は呟いた。
突然、流れていた道則が止まり、そして消えた。
命の鼓動が止まり、もはや心を乱すことはなかった。
……
すべての複雑なものが消え去った。