第17章 さすが私の楊明の良い孫だ

しばらくして、楊海は息子の楊重と護衛たちを連れて楊超の屋敷に来た。

楊超、黃瑩、楊小天、楊靈兒が全員いるのを見て、楊海は無駄話をせずに直接用件を伝えた。

「なんだって、今すぐ引っ越せだって！」楊超と黃瑩たちは顔色を変えた。

楊海は無表情で言った。「今日、四姫様がお見えになり、お供の人数が多いため、楊家荘の部屋が足りないのだ。お前たちはいずれ引っ越さなければならない。今日引っ越すのも同じことだ。弟よ、楊家荘の事情を理解してほしい。」

楊超は怒りながら笑った。「楊家荘の事情を理解しろだと？楊家荘は我々の事情を理解してくれるのか？」彼は怒りを抑えながら言った。「いいだろう、今日中に引っ越す。」

その時、楊重は楊小天を見つめて言った。「楊小天、覚えているか？前回、俺が戻ってきたら、もう一度勝負しようと言ったことを。」

楊小天はそれを聞いて相手を見つめ返した。「覚えているさ。どうした、今すぐ勝負したいのか？」

楊重は一瞬驚いたが、笑い出した。「今すぐだ！演武場に行こう、どうだ？」

楊小天はその言葉を聞いて、相手の思惑を理解した。楊重は楊家荘の人々の前で自分を打ち負かし、より大きな満足感を得たいのだ。

この時、楊超は楊重に言った。「楊重、小天くんはお前の相手ではない。勝負する必要はない。」

彼は既に楊重が三級に突破したことを聞いていた。

しかし楊海は笑って言った。「弟よ、子供同士の遊びだ。心配する必要はない。楊重は加減するから、小天くんを傷つけることはないだろう。」

楊超がまた口を開こうとした時、楊小天が言った。「いいだろう、演武場で会おう。」そう言って、演武場の方向へ歩き出した。

楊重はそれを見て、内心喜び、同じく演武場へ向かった。

楊海も後に続き、同時に部下の護衛たちに楊小天と楊重が演武で勝負することを広めるよう密かに指示した。

一方、楊超と黃瑩は演武場へ向かう楊小天の後ろ姿を見ながら、心配そうな表情を浮かべていた。

「この子はあなたと同じで、あまりにも衝動的すぎるわ！」黃瑩は急いで言った。

楊超は苦笑いを浮かべた。これは自分とは関係ないだろう。

楊明と陳遠は風雲商会が一ヶ月後に極上品築基霊液を競売にかけることについて話し合っていた時、楊家荘の護衛が入ってきて、楊小天と楊重が演武で勝負すると報告した。二人は興味を持ち、演武場へ向かった。

この時、四姫の程貝貝も知らせを受け、驚いて言った。「小師弟が楊小天という子供と勝負するの？」

「はい、この楊小天は楊重様の従弟で、楊重様より数日年下です。」その部下の廖成飛が説明した。「ただし、この楊小天は二級巨龜靈魂を覚醒させたのです。」

「二級武魂で小師弟と演武勝負をするだって？」程貝貝は笑い出した。「これは痛い目に遭いに行くようなものね。行きましょう、私たちも見物に行きましょう。」

そう言って、部下の廖成飛たちを連れて楊家荘の演武場へ向かった。

たちまち、大勢の人々が演武場を取り囲んだ。

陳遠は到着すると、演武場上の楊小天を見て笑いながら言った。「小僧、前回、私の弟子が戻ってきたら、一撃で打ち負かすと言っていたな。今度は全力を出さないと、逆に私の弟子に一撃で負かされて恥をかくぞ。」

楊小天は言った。「もし私があなたの弟子を打ち負かしたら？」

陳遠はそれを聞いて、大笑いしながら顎髭をなでた。「もし本当に私の弟子を打ち負かせたら、お前を弟子にしてやろう。」

この数日間の訓練で、彼の弟子楊重の実力は天地の差ほど変化していた。

楊小天がどうして彼の弟子の相手になれようか。

「しかし、気をつけろよ。私の弟子は今や想像以上の実力を持っているからな。」陳遠は笑って言った。

「そうですか。」楊小天は目の前の楊重を見つめた。

程貝貝は首を振って笑いながら言った。「二級武魂で小師弟に勝とうだなんて？」

「馬鹿げているわ。」

程貝貝の声は大きくなかったが、その場の多くの人々に聞こえた。

楊重は楊小天を見つめ、闘気を運転させながら言った。「楊小天、お前の武魂を出せ。先に手を出すことを許してやる。」

楊小天は首を振った。「やっぱりお前から手を出せよ。前回みたいに一撃で泣かせるのは面倒だからな。」

前回、楊重は楊小天に先に手を出させたが、結果として楊小天にパンダの目のように殴られてしまった。

楊小天が年会の時のことを持ち出すのを聞いて、楊重は年会でのあの屈辱的な場面を思い出し、心中怒りを覚え、突然一撃を楊小天に向かって放った。「楊小天、この一撃を受けてみろ！」

楊重は檻から解き放たれた猛虎のように、一撃を放ち、その威力はまるで猛虎のようだった。

「三階後期！」

その場の楊家荘の護衛たちは大いに驚いた。

楊重が三級に突破した後、楊明と楊海は外部に公表していなかったため、今楊家荘の護衛たちは楊重が三級に突破したことを知って、みな驚きを隠せなかった。

楊明と楊海も大いに意外だった。

以前、楊重は手紙で三級に突破したとだけ伝えていたが、三階後期まで達したとは言っていなかった。

二人は楊重がただ三級に突破しただけだと思っていた。

「よし、よし、さすがは私の楊明の孫だ！」楊明は演武場上の楊重を見ながら興奮して言った。

孫の楊重は、本当に彼に大きな驚きを与えてくれた。

「この小僧、私の若い頃の風格があるな。」楊海も興奮して大きく笑った。

彼も息子がこれほどの驚きを与えてくれるとは思っていなかった。

陳遠も満足げな笑みを浮かべた。楊重というこの弟子は、彼の期待を超えており、非常に満足していた。

楊明は陳遠に言った。「陳遠様、重が使っているのは虎王拳ですね？」

虎王拳は、神剣學院の後天絶頂武技の一つで、虎王拳について楊明もよく知っていた。

「その通りだ、虎王拳だ。」陳遠は笑って答えた。

人々が感嘆する中、楊重の拳力は楊小天の前に到達した。

猛虎のように襲いかかってくる楊重を見て、楊小天は平然とした表情で、手を上げ、後天四級の力を運転させ、何気なく一撃を放った。

轟！

二人の拳が衝突した。

光が激しく輝いた。

元々猛虎のように見えた楊重が、まるで枯れ葉のように、吹き飛ばされた。

最後に、重々しく演武場の端に叩きつけられた。

演武場の端から土埃が飛び散った。