第71章 私が自ら仇を討つ

その護衛は程貝貝が口を開く前に、剣を抜いて突然楊小天に向かって突きかかってきた。

程貝貝の側近の護衛が突然楊小天に襲いかかるとは、誰も予想していなかった。

しかも神剣城城主府の正門前でだ。

相手の一撃が楊小天を貫こうとした瞬間、楊小天の傍らにいた張靜容が剣を抜き、一閃した。

すると悲鳴が響き、その護衛の腕が一瞬で切断された。

張靜容は相手を蹴り飛ばし、十数メートル先の正門前の通りに叩きつけた。

血が神剣城城主府の門を染めた。

この突然の出来事は、誰もが予想だにしなかった。

「武王二重!」胡星は楊小天の傍らにいる張靜容を驚きの目で見つめた。

楊小天に仕える美しい侍女が、なんと武王二重の高手だったのだ。

自分と同じ、武王二重!

しかし楊小天は楊家荘の出身ではなかったのか。楊家荘最強の楊明でさえ先天五重に過ぎないのに、なぜ楊小天の側に武王境の高手がいるのか?

どうやって彼女を味方につけたのだろう?

神剣城城主府でさえ、武王境の者を招くのは難しいというのに。

程貝貝も驚きと意外の表情を浮かべていた。

その時、張靜容は剣を程貝貝に向け、冷たく言った。「お前の飼い犬を躾けろ。もう一度我が主に手を出せば、お前も潰すぞ!」

先ほどの一蹴りは程貝貝の護衛の丹田に命中しており、丹田が完全に潰れていなくとも、ほぼ同然だった。

「貴様!」程貝貝は震えながら張靜容を指差した。楊小天の侍女如きが自分に剣を向けるとは。

「無礼者!」程貝貝の後ろの護衛たちが怒って剣を抜いた。

「止めろ!」威厳のある声が響き渡った。

この騒ぎは、すでに彭志剛の耳に入っていた。

程貝貝の護衛が自分の城主府の門前で楊小天に手を出したと知った彭志剛は、非常に不機嫌な表情を浮かべた。

今日は自分の誕生祝いだというのに、程貝貝の護衛が城主府の門前で暴力を振るうとは何事か。

しかも楊小天は彼が招いた重要な客人なのだ。

程貝貝の護衛たちは彭志剛の到着を見て、躊躇した後、最終的に剣を収めた。

一方、程貝貝は彭志剛を見ると、怒りながら言った。「彭城主、ちょうど良いところに。楊小天の侍女が私の護衛を重傷させ、さらに私にまで手を出そうとしました。楊小天の侍女を捕らえ、天牢に入れて死罪に処してください!」

彭志剛は既に不機嫌だったが、まさか程貝貝が被害者面をするとは思わなかった。