親衛からの報告を聞いて、楚語琴は眉をひそめた。
奇妙な服装をした武士?
誰が北王府に騒ぎを起こしに来るなんて。
前回、血月樓が路辰暗殺に失敗して以来、北郡では誰も北王府に近づこうとしなかった。
北王府に宗師がいることを知っているので、そんな愚かなことはしない。
今日、誰かが訪ねてきたというのか?
楚語琴はすぐに路辰に言った。「辰ちゃん、私が見てくるわ。」
路辰は言った。「楚おばさん、一緒に行きます。」
楚語琴は何か言おうとしたが、路辰の持つ神秘的な武器のことを思い出し、さらに路辰も今は武士になったことを考えると、制止の言葉は出なかった。
その後、彼らは王府の門前に向かった。
門前に着くと、親衛が言っていた奇妙な服装の武士たちが整然と並び、非常に恭しく王府の門前に立っているのが見えた。騒ぎを起こす様子は全くなかった。
路辰は飛魚服を着て、マントを羽織った錦衣衛たちを一瞥したが、すぐには前に出なかった。
楚語琴はこの光景を見て、一瞬呆然とした。
彼女は先ほど、この者たちが騒ぎを起こしに来たと思っていたが、その様子を見る限り、全くそのような意図はないようだった。
しかも彼らの服装は統一されており、まるで朝廷のある機関の武士のようだった。
しかし、大夏王朝にこのような服装の機関があるとは聞いたことがなかった。
これらの者たちの境地を感じ取ると、楚語琴は眉をひそめ、即座に警戒を強めた。
最前列に立つ男の気勢から判断すると、その実力は間違いなく彼女と同等以上だった。
そして彼の後ろに控える五人も、全員が九級の武士だった。
残りの二百人以上の武士たちも、ほぼ全員が五品以上の実力を持っていた。
前回、血月樓が路辰暗殺に来た時でさえ、これほど多くの五品武者は連れてこなかった。
これらの者たち、一体どういう来歴なのか?
彼らは王府に何をしに来たのか?
楚語琴が最も不安に感じたのは、最前列のあの男だった。その男から巨大な脅威を感じ取り、彼女は宗師ではないかとさえ疑った。
楚語琴が彼らの素性を尋ねようとした時、先頭の男が前に進み出て、路辰に向かって片膝をつき、こう言った。「錦衣衛指揮使の秦玉山、王様にお目通り申し上げます!」
「部下として最初の報告が遅れましたこと、どうかお咎めください!」