秦玉山と周瀚文が戦っているとき、錦衣衛の数人の九級武士たちも手を休めることなく、手榴弾の助けを借りて、あっという間に血月樓の暗殺者たちを片付けてしまった。
今や血月樓の樓主様である周瀚文だけが残っていた。
路辰はこの時、屋根から飛び降り、練武場の花壇の上に腰を下ろし、周瀚文と秦玉山の戦いを見つめていた。
この時、一人の錦衣衛千戸が路辰の側に来て尋ねた。「王様、私たちは手を出さなくてよろしいのでしょうか?」
路辰はすぐに手を振り、言った。「必要ない。本王は宗師同士の戦いがどのようなものか見てみたい。」
路辰は宗師の戦いを見たことがなかったので、宗師の実力が具体的にどの程度なのか分からなかった。
宗師同士の戦いを直に見ることで、宗師の戦闘力をより良く評価でき、現代の武器で宗師を容易に倒せるかどうかの判断もしやすくなる。
いずれ蠻族の騎兵の中には必ず宗師境界の武士が存在するはずで、しかもおそらく一人だけではない。宗師の戦闘力を事前に知っておけば、十分な準備もできる。
この時、秦玉山は刀を手に持って周瀚文を圧倒し、周瀚文は避けるしかなく、全く反撃の余地がなかった。
周瀚文は自分の腕が絶えず震えているのを感じていた。かつて江湖を震撼させた血魔狂刀の実力は確かに噂通りで、少しでも油断すれば命を落としかねなかった。
この時、周瀚文は遠くにいる路辰に気付いた。
彼は路辰に会ったことはなかったが、周りの錦衣衛の兵士たちの路辰に対する恭しい態度から、彼はほぼ路辰の身分を推測できていた。
周瀚文はこの時になってようやく目が覚めた。先ほど百花樓に入ったのは北王様ではなく、遠くにいるあの優雅な少年こそが本当の北王様だったのだ。
彼らの血月樓は最初から騙されていたのだ!
そう考えると、周瀚文の心は怒りで燃え上がったが、今の彼には何もできなかった。
自分は秦玉山に押され気味で、逃げることさえ難しい状況で、どうやってこんな状態で北王様の命を奪えるというのか。
まさか今日、この小僧に手玉に取られるとは。
そう考えると、周瀚文の心は不甲斐なさで一杯になった。
彼が血月樓の樓主様を継いでから、暗殺任務はめったに失敗したことがなく、特に彼が直接参加した暗殺任務は、百発百中の成功率を誇っていた。
まさか今日、名ばかりの無能な皇子に罠にはめられるとは。