第41章 姫様も侍女にしかなれない(上)

第四十一章 姫様も侍女にしかなれない(上)

この時、六大長老院を含むすべての者が呆然としていた。彼らは洗顏古派の長老とはいえ、道行の面では、疆國を行き来するにも豪雄の位にしか封じられないのだった。

しかし鬱河は違った。九聖妖門の首席大護法として、王侯に封じられるほどの実力があり、それも王侯の中の王侯で、真人に封じられる可能性すらあった。

このような強者の前では、洗顏古派の大長老である古長老でさえ、身分が半分以上も低く見られ、疆國内では豪雄は王侯と比べものにならなかった!

鬱河のような強者に対して、六大長老院は皆三分の敬意を払っていた。しかし今日、鬱河は李七夜に対して極めて恭しい態度を示し、これは全く信じられないことだった。

さらに信じられないことに、鬱河は輪日妖皇様からの言付けを持ってきており、李七夜が九聖妖門を訪れるなら、輪日妖皇様が直々に出迎えるというのだ。

輪日妖皇様とは何者か。現代の大中域で無敵を誇る覇王であり、世を跨にする存在だ。洗顏古派の他の者はもちろん、六大長老院でさえ輪日妖皇様に謁見する資格がなかった。

そして今、輪日妖皇様は李七夜を直々に出迎えようとしている。これはなんと想像を絶することか!

他の弟子たちにとっては、なおさら想像もできないことで、その場にいた他の者たちは皆その場で石化してしまった。

しかし、さらに彼らを石化させる出来事が起こった。李七夜が左腕を差し出すと、李霜顏は冷たく李七夜を見つめ、最後には一言も発せず、ただ静かに李七夜の腕に手を添え、従順な様子で李七夜と共に立ち去った。

「鬱法護、もうお構いなく」立ち去る際、李七夜はただそれだけ言い、首席大護法の鬱河はただ深々と頭を下げて応えた。

この光景は、全ての者を震撼させた。六大長老院も、諸護法も、そして全ての弟子たちも同様で、しばらくの間我に返ることができなかった。

人々が震撼する中、李七夜と李霜顏は孤峰の小院に戻った。二人きりになると、李霜顏は李七夜の腕を振り払った。

李霜顏は冷たく横目で彼を見て、依然として高慢な態度で冷たく言った。「これで満足したでしょう!」