この時、唯一何の影響も受けなかったのは李七夜だけだった。李七夜はその無敵の影を見つめ、何も言わなかった。
無敵の影は蘇雍皇をしばらく見つめ、そして李七夜の方を向いて長い間見つめていた。最後に、すべてが軽いため息となって消え、無敵の影は帝韻仙威となって、肖像画の中へと戻っていった。
先祖の帝韻仙威を目の当たりにし、蘇雍皇も感動で胸が震えた。これは彼女が初めて自分の先祖とこれほど近くで接した瞬間だった!
帝韻仙威が消えてからずっと経って、長老たちはようやく震えながら立ち上がることができた。この光景は、彼らにとってあまりにも衝撃的だった。これは祖師様の霊験だったのだ!
「天は我らが洗顏古派を滅ぼさず」周長老は感動して言った。「祖師様の後継者が帰還し、さらに七夜を加護される。我らが洗顏古派は必ずや興隆するであろう!」
この時、周長老たちは興奮を抑えきれず、感涙にむせび泣いていた。祖師様の霊験は、衰退していた洗顏古派に希望の光を見せたのだ!
明仁仙帝の帝韻仙威が無敵の影となったのは、蘇雍皇の一滴の血に呼び寄せられたためだった。無敵の影が蘇雍皇を見つめたことは、疑いなく、蘇雍皇が明仁仙帝の後継者であることを示していた。
しかし、今回の祖師様の霊験はそれだけではなかった。祖師様が蘇雍皇を見つめたことは、蘇雍皇の身分を認めたことであり、さらに重要なことに、祖師様が李七夜を長い間見つめていたことは、疑いなく、彼が祖師様に選ばれた中興の主であることを示していた!
もちろん、長老たちは知らなかったが、明仁仙帝の影が李七夜を見つめていたのには別の理由があった。この世では李七夜はもはや陰鴉ではないが、彼の真命、彼の魂魄は変わっていない。帝韻仙威はそれを感じ取ることができたのだ。
最後に、長老たちは蘇雍皇に一礼し、古鐵守を筆頭に言った。「我々は愚かでした。宗主が祖師様の後継者とは知らず、これまでの無礼をお詫び申し上げます。」
蘇雍皇は軽く頷き、言った。「長老方こそご丁寧に。当時私はたった十三歳の少女で、宗主の座に就けたのは皆様のお陰です。特に古長老には、当時ご迷惑をおかけしました。当時は洗顏古派の情勢が良くなく、私の身分も公にできませんでした。」