第49章 霊薬

林亦は教室に戻ると、みんなが軽蔑の眼差しで彼を見つめていた。

「高得点を取るためにカンニングするなんて、林亦、劉先生に叱られたんだろう？」林亦が戻ってくると、誰かが嘲笑った。

「林亦がカンニングでこんな点数を取るわけないだろう？彼は林亦だぞ、易思城とサッカーをする資格もない奴だ。」趙東は林亦が入ってくるのを見て、首を振りながら、嘲笑的な目で見た。

「趙東、三十八点を取った君に笑う資格があるのか？」林亦は振り向いて趙東を見て、続けて言った。「クラスで四十点以下なのは君だけだぞ、よく恥ずかしくもなく喋れるな？」

「それでもカンニングした成績よりはマシだ！」趙東は林亦にそう言われ、居心地が悪くなり、林亦に向かって叫んだ。

「三十八点のゴミ。」林亦は数言を吐き、両手をポケットに入れて自分の席に戻った。

「口だけは達者だな、夏春カップの日まで待ってろよ、その時どう言い訳するか見てやる！口だけの王者？」趙東は林亦に言い返されて顔色を悪くし、林亦に向かって叫んだ。

午前の授業が終わると、趙東はサッカー部のメンバーを連れて林亦の机を囲んだ。

「今日の昼の練習試合、お前は強いんだろう？今日の昼、お前一人でどう戦うか見せてもらおう！」趙東は冷たい目で林亦を見つめた。彼は自分の数学の成績が悪いことは我慢できたが、林亦より低い点数を取ったことは許せなかった。

「お前らみたいなゴミの前でパフォーマンスする気はない。夏春カップの日になれば、本当のサッカーが何かわかるさ。」林亦は立ち上がり、趙東を一瞥もせずに言った。

「怖気づいたんじゃないのか！」趙東は冷笑い、林亦に道を譲る気配はなかった。

彼が道を譲らなければ、林亦は出て行けない。

「どけ。」林亦は一言吐き出し、趙東たちが反応する前に、半歩前に出て、そのまま前進した。

趙東は急に顔色を変え、何が起こったのかわからないまま、足元がふらつき、後ろに数歩よろめいて、後ろの机を数台倒してしまった。

「趙東！」

「大丈夫か！」趙東の周りの数人が顔色を変え、急いで趙東を助け起こした。

「林亦！」趙東は怒り爆発寸前だったが、振り向いても林亦の姿は既になかった。

「きっと試合に出る勇気がないんだよ、出場すれば恥をかくことになるからな。」誰かが推測した。