第40章 図書館での出会い

方尤の言葉が出た途端、鄭長河は地面で悲鳴を上げている馮勇を見つめ、そして方尤に守られている林亦を見て、徐々に冷静さを取り戻した。

馮勇は七組の体育委員で、林亦の華奢な印象に比べて、馮勇はかなりがっしりとした体格をしていた。

馮勇が林亦をこんな目に遭わせたと言われれば、鄭長河は間違いなく信じただろう。しかし、逆の立場で考えると、鄭長河は躊躇いを感じ始めた。

「この林亦という奴がやったんだ。これだけの人が見ていたんだぞ。方尤、お前、目を開けたまま嘘をつくつもりか？」劉天宇がこの時に前に出て、冷笑を浮かべた。

「あなたたちは仲間同士でしょう。先生を馬鹿にしているの？あなたたちの言葉を信じると思う？」方尤は一歩も引かず、劉天宇を睨みつけた。

陳萌は林亦のために理を通そうとする方尤を見つめ、そして方尤の後ろで無関心な態度を見せる林亦を見て、心の中で自嘲せずにはいられなかった。

「私が先生を呼ばなくても、彼は何も困らないみたい。私が余計なことをしただけね。どうせ彼と方尤の仲は良いし、方尤は影響力があるから、私みたいな普通の家の女の子よりずっと強いわ」陳萌はそう考えながら、視線を逸らし、もう林亦を見ることはなく、一歩前に出て馮勇の傍らに屈んだ。

「大丈夫？もう少しの辛抱よ、すぐに救急車が来るから」陳萌は優しく馮勇を慰めた。馮勇はまだ叫び続けていたが、一部は演技で、一部は先ほど転んだ時にお尻を強く打って、本当に痛かったのだ。

もし本当に林亦がやったのなら、それは酷すぎる！

そう思った瞬間、陳萌は急に顔を上げ、無関心な態度を見せる林亦を強く睨みつけた。

林亦はちょうど陳萌の方を見ており、陳萌の視線に対して、軽く頷き、むしろ軽く微笑んだ。

「この件については私がしっかり調査します。今は救急車を待って、馮勇を病院に送ることが優先です」鄭長河は咳払いをして、まずは現状を落ち着かせようと、長期的な対策を考えることにした。

問題が起きたら必ず抑え込まなければならない。もし抑えられなければ、今月のボーナスが飛んでしまうかもしれない。

「特に用がなければ、みんな解散だ。解散！もうすぐ授業が始まるから、教室に戻りなさい！」鄭長河は命じた。

「今回は運が良かったな」劉天下は林亦を見て、意味ありげな笑みを浮かべた。「でも、一人の人間が永遠に運が良いわけじゃない」