林亦は一人で二階に上がった。
二階で、周天陽は林亦が上がってくるのを見て、彼に向かって口を尖らせた。「おい、お前、来い来い、テーブルの酒を注ぎ足してくれ。」
テーブルには三人がいて、周天陽の他に二人の女性がいた。
その二人の女性は先ほど一階で周天陽と一緒に上がってきたバーレディだった。
「坊や、なんで大壯さんについていこうと思ったの?今のSKバーは大壯さんの言うことは通用しないって知らないの?」一人の女性が林亦を見て、目に笑みを浮かべながら言った。
「それなら天陽兄さんについた方がいいわよ。服装は良くないし、家も貧しそうだけど、天陽兄さんについていけば、少なくとも食べていけるわよ。」もう一人の女性も同調し、同情的な目で林亦を見た。
林亦は黙っていた。周天陽は手を伸ばして女性を抱き寄せながら言った。「そういう言い方はよくない。大壯さんがどうこうは置いておいて、俺の下では遊び人は養わないんだ。この小僧を見てみろ、こんな奴、使い物になるわけがない。」
「でもな、お前が一晩俺と付き合って、俺を満足させてくれたら、この小僧のために一言言ってやってもいいぞ。」
周天陽が女性にキスをすると、女性は甘えた声で「もう、いやらしい」と言った。
周天陽は大笑いしたが、突然、上がってきた林亦が酒瓶を取り、自分のグラスに注いだ後、椅子を引いて座り、それ以上酒を注ぐ気配がないことに気付いた。
周天陽は顔を曇らせた。「誰が座れと言った?テーブル全員に酒を注げと言ったんだ。目が見えないのか、耳が聞こえないのか。グラスが空なのが見えないのか、俺の言葉が聞こえなかったのか?」
「私、林九玄が酒を注ぐ価値もない奴だ。」林亦はグラスの酒を軽く啜り、悠然と言い放った。
「林九玄?そんなバカみたいな名前があるのか?小説の中の人間にでもなったつもりか!」周天陽は林亦の言葉を聞いて、大笑いした。
「天陽兄さん、この子、頭がおかしいんじゃないですか。」
「そうよね、誰が林九玄なんて名前つけるの?変な名前ね。」
二人のバーレディは話しながら、周天陽の胸に身を寄せ、胸で彼の手首を擦り、丸みを帯びた曲線を作り出した。
彼女たちはバーで酒を売る以外に、客の相手をするのが仕事だった。今SKバーは周天陽の手中にあり、周天陽の機嫌を取れば、客の相手をする際にも便宜を図ってもらえる。