白龍山リゾート内のレストランは、ヨーロッパ風の建築様式で、正面玄関の向かい側には中央水池があり、噴水からは絶え間なく水柱が立ち上がり、様々な形に変化していた。
「この白龍山リゾートは、毎年多くの芸能人を迎えているんだ。内装も凝っていて、すべて丁寧にコーディネートされているんだよ。時間があったら、写真を撮ってみるといいよ。いい場所ばかりだから」と黎青松は王麗燕たちに説明した。
「そうですよね。黎少爺に招待されて遊びに来たんだから、写真をたくさん撮ってSNSにアップしないと、もったいないですよね」と王麗燕はクスクスと笑った。
「そうよ、SNSの友達に見せてやりましょう」と馬月瑩も同調した。
傍らの邵思思は目の前の白龍山リゾートを見つめ、そして隣に座る黎青松を見て、何か決意を固めたかのように心を落ち着かせた。
彼女は、これこそが自分の望む生活だと確信していた。黎青松と付き合えれば、このような生活は手の届くところにあるのだ。
学校では、黎青松は彼女を追い続けていたが、邵思思はずっと正面から承諾せず、黎青松をつり続けていた。
彼女は自分の価値をよく理解しており、黎青松が自分にとってどれだけの価値があるかも考えていた。しかし最近、黎青松の態度が少し冷たくなってきており、何か行動を起こす必要があると感じていた。
趙辰は隣の陳琳嫣を見て、軽く微笑んだ。「午後は山登りができますよ。この白龍山には養魚池とイチゴ園があるので、後でイチゴ狩りに行けます」
「うん」と陳琳嫣は頷いた。
「方尤さん、車を降りたら一緒に行きませんか?」と李子明が方尤に近づいたが、方尤は一言も返さなかった。
観光バスがゆっくりと停車し、ホテルの入り口で、きちんとしたスーツを着た張恒が出迎えた。
「恒さん!」黎青松は笑顔で両手を広げ、二人は抱き合った。
「青松か、久しぶりだな。随分背が伸びたじゃないか」と張恒は笑顔で言った。
「それはあなたが忙しい人だからですよ。父も言っていましたよ、ずっとお会いできていないって。あなたに会いたがっているんです」
「ハハハ、今度は必ず君の家に行って一杯やらないとな」張恒は笑いながら、黎青松の後ろにいる人々に目を向けた。