第112章 未来サッカーの王者

「みなさん、静かにしてください!」

劉伯濤校長が演壇に上がり、マイクを調整すると、声はすぐに周囲に響き渡った。

彼は周りを見渡し、下の生徒たちを見つめながらゆっくりと口を開いた。「皆さんご存知の通り、明海第二中學校では毎年この時期に夏春カップを開催しています。これは生徒の皆さんの体力向上を目的としており、毎回の夏春カップで私は皆さんの若さと活力を見ることができます。」

「これは大変貴重なことです。今回の夏春カップは、明海市の祁會長から多大なご支援をいただきました。各クラスのチームが、クラスの名誉のために全力を尽くしてくれることを期待しています!」

劉伯濤の話が終わると、下からすぐに拍手が沸き起こった。

「では次に、今回のサッカー代表、3組の易思城君に挨拶をお願いします。」

劉伯濤は拍手しながら、スタンドから演壇へゆっくりと歩いてくる易思城を見つめた。

すぐに下から熱い拍手が沸き起こり、多くの女子生徒が首を伸ばして台上を見つめ、目には憧れの色が満ちていた。

「易思城先輩よ!ずっと噂は聞いていたけど、やっと見ることができる!」1年生の列から、女子生徒がつま先立ちして一生懸命見ようとしていた。

「去年の夏春カップで3組を優勝に導いて、今年も間違いなく優勝するチームの主将よ。それに最近、県のサッカーチームに入る資格を得たらしいわ!」別の女子生徒が興奮して話していた。

「易思城!」

多くの女子生徒が興奮を抑えきれず叫び声を上げていた。

イケメンで特定の分野で卓越した才能を持つ男子生徒は、いつだってこれらの女子生徒たちの心の中で間違いなくヒーローなのだ。

「方尤、あなたの易思城が登壇するわよ」方尤の隣で、まずまずの容姿の女子生徒が意地悪そうな笑みを浮かべながら方尤の腕を突いた。

「そうよ、もちろん私のものよ。今回は絶対に優勝するわ!」方尤は少し誇らしげに顎を上げた。

スタンドでは、スポーツウェアとショートパンツを着て、サッカーシューズを履いた易思城が演壇の中央へゆっくりと歩み寄り、笑顔を浮かべながら「みなさん、こんにちは。3組の易思城です。」

易思城がゆっくりと口を開くと、下の雰囲気はさらに熱を帯びていった。

「祁社長、この子が易思城です。」劉伯濤は隣の祁社長に紹介した。