165.怖いなら無理をするな

「今日はどこにも一緒に遊んでくれなかった。全部パパと遊んでたよ」

九条結衣は周りから聞こえる悲鳴を聞きながら、眉をひそめた。断りたかったが、息子の懇願に満ちた瞳を見てしまい、結局頷いた。「わかったわ」

九条初は喜色を浮かべ、二人の手を引いて列に並んだ。

藤堂澄人は横目で九条結衣の固く結ばれた眉と、少し青ざめた顔色を見て、眉をひそめながら低い声で言った。「怖いなら行かなくていい。俺が初と一緒に乗るから」

九条結衣は横目で彼を見て、冷淡な目つきで「大丈夫よ、行ける」と言った。

彼女はただこういうスリル系のアトラクションに乗ったことがなく、悲鳴を聞いて本能的に拒否反応を示しているだけだった。

三人の番が来て、藤堂澄人は息子を抱き上げて安全ベルトを締め、九条結衣は彼の隣に座った。