160.男は一途でなければならない

でも、あの日ママが言っていたことを思い出した。叔父さんには彼女がいるって。テレビで見る第三者はとても悪い存在だから、ママにそんな立場になってほしくない。だから、この「継父」がどんなに完璧でも、受け入れることはできないのだ。

そこで、彼は藤堂澄人を見上げ、真剣な表情で言った。「叔父さん、まだ僕の継父じゃないんだから、僕のことを息子だって言わないでください。そんなことが広まったら良くないです。」

他人がママのことを第三者だと言い出すから。

藤堂澄人は、息子がこんな大人びた口調で「良くない」なんて言い出すのに、笑うべきか泣くべきか分からなくなった。

すぐに何かに気付いたように眉をひそめ、「お前が俺の息子じゃないなら、誰の息子なんだ?」と尋ねた。

初は少し傲慢げに顎を上げ、横にいる美しい女性を見やって藤堂澄人に言った。「もちろん、ママが誰と結婚するかで決まりますよ。その人の息子になります。」