461.一目惚れ、一生涯

藤堂澄人は九条結衣を抱きかかえて階段を上がり、主寝室とゲストルームの間で、迷わず自分が寝ているゲストルームを選んだ。

九条結衣をそっとベッドに寝かせると、腕の傷口が少し開いたような感覚があった。袖をまくって確認すると、包帯に少し血が滲んでいたが、それほど多くはなかった。

藤堂澄人はそれを気にせず、袖を下ろして九条結衣の横に横たわった。

九条結衣はこの夜、とても心地よく眠れたと感じた。長年感じていた心と体の居場所のない虚しさが、この夜、不思議と満たされていた。

満足げに目を開けると、目の前に大きく映る端正な顔があった。

その顔の主は、愛情に満ちた瞳で彼女を優しく見つめていた。目覚めたばかりの声は、少しかすれていて色気を帯びていた。「目が覚めた?」

九条結衣は一瞬固まり、次の瞬間、完全に目が覚めて、急いでベッドから起き上がった。