475.恥を他人の家に晒す

こぶたは藤堂澄人をようやく見つけたようで、自分のパパの前に立っている九条初そっくりのイケメンおじさんを見て、目が一瞬輝き出した。

次の瞬間、彼は縛りを解かれた野生馬のように、お母さんから離れて藤堂澄人の側に行き、両手で藤堂澄人の足を抱きしめた。

「おじさん、お姉さんと妹を作ってくれない?妹が生まれたら、僕の嫁さんになるんだ。」

北条夫婦:「……」

このガキめ、恥ずかしい真似はやめてくれないものか。

九条結衣も、このこぶたが妹を作ってほしいという件にこれほどこだわっているとは思わなかった。

最初は子供の無邪気な言葉だと思って、気にも留めなかった。

でも彼は一度言い、また言い、彼女に言い、両親の前で言い、今では藤堂澄人の足を抱きしめながらまだ言っている。

こぶたがまだ三歳の子供とはいえ、九条結衣の顔は彼に煽られて思わず熱くなってきた。