605.恥を晒す

九条結衣は彼女の不機嫌に気づき、彼女の肩を叩いて、隣の服屋を指差して言った。「数日後は君の誕生日だから、中に入って服を選んでみない?私がプレゼントするよ」

夏川雫は九条結衣が彼女の気分が悪いのを見たくないのを知っていたので、表面上は喜んでいるふりをして言った。「本当?じゃあ遠慮しないわ。私が選んだものがどんなに高くても、買ってくれるのね」

「もちろんさ。好きなものを選びなよ。だって俺様は君を甘やかしてるんだからね」

そう言いながら、人差し指で夏川雫の顎をつついて、彼女から白眼を買った。

九条結衣はお金に困っていないとはいえ、夏川雫も相手を金づるとは思っていなかったので、好き勝手に高いものを選ぶことはせず、最終的に手頃な価格で、デザインもとてもいいスーツを選んだ。