九条結衣は今、疲れ果てているものの、まだ時間が早いため、少しも眠気を感じていなかった。
藤堂澄人に抱かれながら、本能的に彼の胸元に寄り添い、従順な子猫のように振る舞う彼女の姿に、澄人の心は完全に溶けてしまった。
「妻よ、この二日間のことは、申し訳なかった」
横たわりながら、九条結衣を抱きしめ、彼は再び謝罪の言葉を口にした。
結衣は彼の腕の中で、この期間の二人の関係を思い返した。全てが彼の過ちであろうとなかろうと、彼はいつも進んで謝罪し、和解を求めてきた。
今回もそうだった。彼が怒りと失望を感じていたことは分かっていた。彼女が彼のことを気にかけていないと思い、他の男性と楽しく会話をしているのを見ながら、自分はブラックリストに入れられ、メッセージひとつ返信されなかったのだから。