手洗い場から出て、反対側を回ると、二階の客室へ通じる階段があった。
時間を考えると、九条結衣も顔を洗い終わっているはずだ。
そう思った矢先、結衣が誰かに支えられて手洗い場から出てくるのが見えた。彼女は給仕の格好をした男性の体にぐったりと寄りかかり、二階への階段へと向かっていた。
高橋夕の目が突然輝き、素早く鈴木大輔にメッセージを送った。
二階の客室で、鈴木大輔はすでに待ちきれない様子だった。思う存分楽しむため、彼も結衣と同じ薬を飲んでおり、興奮のあまり額の血管が浮き出るほどだった。
あの女がもう少し早く来なければ、本当に我慢できそうにない。
高橋夕からのメッセージを受け取ると、鈴木大輔の目は一層明るく期待に満ちていった。
しばらく待つと、部屋のドアが開いた。
「鈴木さん、お連れしました。」