もちろん、これらの息子の出自は、少々筋が通らないものだった。
藤堂澄人がそう言うと、九条結衣は即座に藤堂澄人の意図を理解した。
松浦建国は意図的に鈴木大輔を甘やかし、今のような無法状態に育て上げた。たとえ藤堂澄人に出会わなくても、鈴木建国でさえ手に負えない別の人物に出会っていただろう。
そうなれば、鈴木奥様と鈴木大輔の母方の親戚たちが、たとえ鈴木建国に不満があっても、何も言えなくなる。
今回のように、鈴木大輔が藤堂澄人によって廃人同然にされても、鈴木建国が藤堂澄人に仕返しをしようと思っても、その力があるのだろうか?
仮にあったとしても、敵に千の傷を負わせれば自分も八百の傷を負うような事態になる。鈴木建国は馬鹿ではないので、そうすることの結果を分かっているはずだ。