775.夫婦は同じ林の鳥、災難が来れば別々に飛び立つ

九条結衣は、これを聞いた時、目を細め、少し躊躇してから口を開いた:

「それなら……私たち、離婚しない?私が息子を連れて、あなたから遠く離れれば、危険じゃなくなるわ……」

その言葉が落ちると、藤堂澄人は「そんなことさせない!」

「夫婦は同じ林の鳥、大難が来れば各々飛び立つものよ」

九条結衣は、いつも彼女に触れようとするその大きな手を不満そうに払いのけながら、当然のように言った。

藤堂澄人はそれを聞いて、不満げに二度鼻を鳴らし、九条結衣をより強く抱きしめた。

「俺はお前を離さない。俺の側がどんなに危険でも、最優先で全力でお前たちを守る。奴らがお前を傷つけられるとすれば、それは俺が死んだ時だけだ」

彼の言葉は特に真剣で、九条結衣は冗談を言おうとしても、この時は軽い冗談も言えなかった。