816.極品が集まる

「お爺さん、叔母様」

九条結衣は急いで挨拶に行き、藤堂澄人もすぐに続いて、一緒に挨拶をした。

「ひいお爺さん、叔母様」

初の甘い声に、九条爺さんは声を立てて笑った。

すぐに、お爺さんは小林お爺さんに直々に迎え入れられた。

九条結衣が信じられなかったのは、九条政がしばらくして来ただけでなく、木村富子というその愛人も連れてきたことだった。

木村富子を愛人と呼ぶのは、九条政が彼女との結婚式を挙げようとしていたものの、途中で次々と問題が起き、九条政を困らせ、結婚式が延期に延期を重ねていたからだ。

九条政が木村富子を連れて小林お爺さんの誕生日祝いに出席するのを見て、彼を知る多くの人々が、指を指して噂し合っていた。

この九条政のやり方は本当に筋が通らない。前の義父の誕生日祝いに愛人を連れてくるなんて、これは故意に前の義父を困らせるつもりか、それとも前妻を困らせるつもりなのか。