830.若くして努力不要

「やってみなさい。私の息子を含め、みんなに見せてあげましょう。継娘が義理の母親をどう扱うのかを。最近、あなたは話題になることに慣れているでしょうから、これくらい気にならないでしょう」

高橋夕は確かに黒崎芳美の言葉に動揺した。特に藤堂澄人のことを持ち出された時に。

藤堂澄人は今でも母親である黒崎芳美を受け入れていないが、母子の血のつながりは切れないものだ。

黒崎芳美は彼女とは違う。彼女が自分を変えようと努力し、藤堂澄人の好感を得られれば、この実の母親を認め直すことになるだろう。

だから、今は以前のように黒崎芳美に接することはできない。特に小林お爺さんの誕生日パーティーで、実の母親を殴るところを見せるわけにはいかない。

そう考えて、彼女は怒りを抑えながら上げかけた手を下ろした。