垂れ下がった瞼が、突然開いた。「ん?どうしたの?」
九条結衣は彼の腕の中から起き上がり、彼の意識がまだ完全に覚めていない時に、近づいて彼の唇に強くキスをした。「お誕生日おめでとう」
藤堂澄人の体が震え、ぼんやりとした意識が一瞬で覚醒した。
壁の掛け時計を一瞥すると、23時58分。彼の誕生日が終わるまであと2分。
妻がついに彼の誕生日を思い出してくれた!!!!!
たった一言の祝福で、藤堂澄人の表情は瞬く間に明るくなった。妻に一日中無視されていた誕生日で落ち込んでいた気持ちも、この「お誕生日おめでとう」という一言とキス一つで一気に吹き飛んだ。
月明かりの下、彼は九条結衣の体を引き寄せ、手で彼女の後頭部を抑え、彼女の唇に何度も激しくキスをした。それでやっと、今の興奮と喜びの気持ちを表現できた。
「ありがとう、妻よ」
九条結衣は彼のこの様子に笑みを浮かべ、顔には軽蔑の色が満ちていた。「誕生日の祝福一つで、こんなに喜ぶなんて」
「妻が僕の誕生日を覚えていてくれたんだから、嬉しいに決まってるよ」
「ふん!一日中落ち込んでいたのを知らないとでも思ってるの?」
藤堂澄人:「……」
こんな風に暴露されるのは本当に良いのだろうか?
九条結衣は話しながら、彼の横をすり抜けてベッドから降りた。「誕生日プレゼントも用意してあるわ」
藤堂澄人の目が輝いた。「プレゼントまで?」
どうやら妻は今日が彼の誕生日だということを最初から知っていて、プレゼントまで用意していた。ただ、わざと覚えていないふりをして、サプライズを用意していたということか?
藤堂澄人はそう考えると、電気がついていなくても、彼の目の中で輝く光が見えるほど嬉しくなった。
九条結衣はすでにベッドから降りており、藤堂澄人は急いで電気をつけた。「気をつけて、ぶつからないように」
この時、九条結衣はすでに持ち歩いているバッグの間仕切りから二枚の紙を取り出し、藤堂澄人の不思議そうな視線の中、彼の前まで歩いてきた。「開いて見てみて」
藤堂澄人は不思議そうに受け取り、開いた。
そこに書かれた一連の数値に一瞬戸惑い、さらに下へと目を移すと、彼の柔和な表情が徐々に引き締まっていった。
続いて、もう一枚の超音波検査の用紙も急いで確認すると、完全に抑えきれない興奮で顔が真っ赤になった。