875.藤堂島主が受け取った誕生日プレゼント

垂れ下がった瞼が、突然開いた。「ん?どうしたの?」

九条結衣は彼の腕の中から起き上がり、彼の意識がまだ完全に覚めていない時に、近づいて彼の唇に強くキスをした。「お誕生日おめでとう」

藤堂澄人の体が震え、ぼんやりとした意識が一瞬で覚醒した。

壁の掛け時計を一瞥すると、23時58分。彼の誕生日が終わるまであと2分。

妻がついに彼の誕生日を思い出してくれた!!!!!

たった一言の祝福で、藤堂澄人の表情は瞬く間に明るくなった。妻に一日中無視されていた誕生日で落ち込んでいた気持ちも、この「お誕生日おめでとう」という一言とキス一つで一気に吹き飛んだ。

月明かりの下、彼は九条結衣の体を引き寄せ、手で彼女の後頭部を抑え、彼女の唇に何度も激しくキスをした。それでやっと、今の興奮と喜びの気持ちを表現できた。