910.IPアドレスの調査

一歩間違えれば、藤堂グループの資金繰りが完全に破綻し、立て直すのはさらに困難になるだろう。

松本裕司は考えた末、自分の考えを正直に述べた。「現在の藤堂グループの状況では、着実に進めるしかありません。まずはこの時期を乗り切り、株価が安定してから、他のプロジェクトの展開を考えましょう。」

実際、この跨海大橋プロジェクトは、初期投資は大きいものの、収益も非常に見込めるものだった。

覚悟を決めて実行すれば、藤堂グループの危機も本当に乗り越えられるだろうが、それはリスクを伴う賭けでしかない。

今の藤堂グループにはそのようなリスクを取る余裕はない。

九条結衣は彼の意図を理解し、考えた後で言った。「では、誰かと協力してこのプロジェクトを進めるのはどうでしょう?」

「それも考えましたが、今の藤堂グループは困難な状況にあり、この機会に藤堂グループを圧迫しようとする企業は山ほどあります。本当に協力してくれる企業があったとしても、この機会に厳しい条件を突きつけてくるでしょう。それは私たちにとって得策ではありません。」