923.山田花江を調査

藤堂澄人が山田花江に会った後、小林晋が死んでしまい、彼女と同じ車に乗っていた時にこんな大きな事故が起き、藤堂グループの社長失踪のメールも彼女の病院から送られてきた。

九条結衣は考えれば考えるほど、山田花江が怪しく思えてきた。

そう考えながら、彼女は病院の休憩室に長居せず、外に出た。

「奥様」

松本裕司は藤堂澄人の部屋の外で見張り続けていた。社長は彼のことを覚えていなくても、彼は社長に忠実であり続けなければならなかった。

「私と一緒に戻りましょう。話があります」

松本裕司は一瞬驚き、九条結衣の表情がこれほど深刻なのを見て、心が引き締まった。藤堂澄人の病室のドアを一瞥してから、頷いた。「はい、奥様」

病院を出てから、九条結衣は前方を見つめたまま、半歩離れて歩く松本裕司に言った。「この数年間の山田花江のアメリカでの状況を調べてもらえますか。できるだけ詳しく」