956.君は私の全世界

彼女は藤堂澄人が自分のお腹に当てている力が強くなっていくのを感じた。まるで……

もし彼が今気を持っていたら、この子は彼の手にかかって死んでしまうところだった。

そして今、彼が一言も発しないことに加えて、九条結衣はRLの病室での出来事を思い出した。あの時の藤堂澄人が自分のお腹を見つめていた殺意と冷たさに満ちた眼差しを思い出し、彼女の心臓は激しく震え、思わず数歩後ずさりした。

藤堂澄人は彼女の動きに驚き、顔を上げて彼女を見た時、その目には依然として殺意が残っていた。九条結衣は本能的に自分のお腹を守り、警戒するように彼を見つめた。

「澄人、何をするの!」

彼女は震える声を抑えながら、恐怖に満ちた目で藤堂澄人を見つめた。

彼女はずっと藤堂澄人がおかしいことを知っていた。この不可解な記憶喪失だけでも十分におかしかった。

初めて彼が自分のお腹に向けて殺意を向けた時、彼女は見間違いだと思った。でも今回、彼女は再びその表情を目にしたのだ。

藤堂澄人は一瞬固まり、九条結衣の目に警戒心が浮かんでいるのを見て胸が痛み、目には悲しみと動揺が浮かんだ。

彼は慌てふためいて説明しようとしたが、どこから話し始めればいいのか分からなかった。

「結衣、僕は……分からないんだ……」

九条結衣どころか、彼自身でさえ、先ほどの子供を殺そうとした強い衝動を感じていた。

あの瞬間、彼の頭の中には結衣を突き飛ばして、その子を流産させるという考えしかなかった。

これは自分の子供なのに、どうしてこんな恐ろしい考えを持てるのか……

彼は悪いことをした子供のように、途方に暮れた目で九条結衣を見つめ、見捨てられることを恐れるかのように、必死に弁解しようとした——

「結衣、分からないんだ……信じてくれ、さっきなぜあんな……」

九条結衣は彼のこの途方に暮れた様子を見て胸が痛んだ。警戒の色を消し、前に進み出て彼をしっかりと抱きしめ、顔を彼の胸に寄せながら慰めた:

「分かってる、あなたのせいじゃないって分かってる。病気なのよ、澄人……」

「違う、病気じゃない。きっと誰かが僕に何かをしたんだ。結衣、さっきのは本意じゃなかった……」

藤堂澄人は九条結衣をきつく抱きしめ、まるで彼女を自分の骨肉に溶け込ませようとするかのように、慌てて説明した。