夏川雫の車に乗り込んだ後、彼女がまだ怒りに任せて投稿して人を罵っているのを見て、思わず近寄って覗き込んでしまった。
思わず笑いが漏れた。
夏川雫は横目で彼女を見て、「何を笑ってるの?私の前では無理に笑わなくていいわよ。藤堂澄人のクズ男を徹底的に叩いてやるから!」と言った。
「ネットの人たちの言う通りよ。あなたはあの時、藤堂グループを乗っ取ってしまえばよかったのよ。彼の帰りを待つ必要なんてなかったわ。彼の財産を持って再婚すれば良かったのよ。そうすれば帰ってきても女遊びなんてできないでしょうに」
夏川雫は、以前自分が目が眩んでいて藤堂澄人が更生したと思い込み、結衣のために長い間喜んでいたことを後悔していた。
夏川雫は罵れば罵るほど腹が立ち、腹が立てば立つほど罵りたくなった。